大丸松坂屋百貨店が運営するファッションレンタルのサブスクリプションサービス「アナザーアドレス(ANOTHERADDRESS)」は、3月1日にメンズの取り扱いをスタートする。来期(24年2月期)で男性会員2500人、5年で1万5000人の獲得を目指す。
メンズ商品は80ブランドをラインアップし、在庫は約2万5000着。既存のレディースと同じく「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」など海外のハイエンドブランドのほか、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)「チノ(CINOH)」など国内のデザイナーズブランドも取りそろえ、高感度なラインアップで競合サービスと差別化する。レディースと同じく月額1万1880円で3着まで、5500円で1着レンタルできる。
ビジネスカジュアルやゴルフ、アウトドアなどコロナ禍で関心が高まるカテゴリーにも注力する。またメンズ商品のうち約5割は、女性のオーバーサイズでの着用にも対応する。このほど都内で開かれた事業戦略説明会で、責任者の田端竜也氏は「世界のファッションレンタルサービスを見渡しても、メンズ事業が成功しているサービスは見当たらない。“鬼門”と言える領域だ」とした上で、「(サービス開始から)これまでの2年間で多くのお客から要望があった。より多くの方に、自由で新しいファッションの体験を提供するのが『アナザーアドレス』の役目。男性のご利用だけでなく、パートナー同士で服を選び合うような使い方も楽しんでいただきたい」と語った。
売上高伸長率は前期比3.2倍
中期で売上高75億円目指す
レディースのラインアップについても、昨年2月時点から今春にかけて60ブランド増やし、計173ブランドに拡充。新規ブランドは「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「コーチ(COACH)「ミュベール(MUVEIL)「ガニー(GANNI)など。
23年2月期はサービスの売上高伸長率が前期比3.2倍となり、総登録会員数は1万5000人、総レンタル数は10万着を突破した。業績の好調と事業領域の拡大に伴い、サービス開始当初(21年3月)に掲げた5カ年計画(売上高55億円、アクティブ会員3万人)を上方修正。売上高75億円、アクティブ会員4万5000人を目指す。