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「ドゥ・ラ・メール」の名品クリームがリニューアル NYのミシュラン店でのミクソロジー&発酵体験

 名品としても名高い「ドゥ・ラ・メール(DE LA MER)」の“ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”が発売以来、12年ぶりにリニューアルした。日本では3月1日に発売するが、それに先駆け、ニューヨークのビーガンレストランでミシュラン店としても知られる「イレブン・マディソン・パーク(ELEVEN MADISON PARK)」でお披露目イベントが行われた。塗るだけで荒れた乾燥肌がしっとりと整うと筆者自身も体験済みのため、ドキドキは隠せない。パンデミック後にビーガンレストランとしてリニューアルした同店での発表は、何か意味があるのかもしれない。

 ソフトクリームのような軽いつけ心地が特徴の“ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”は、最新フォーミュラを駆使した今回のリニューアルによってオリジナルの保湿成分であるミラクルブロスを運ぶスフィア(球)が増量されたのだという。それによって肌の隅々まで保湿成分が行き渡り、長時間潤いが持続するという。白を基調とした「イレブン・マディソン・パーク」2階にあるプライベートルームはスフィアをイメージした白い球体状のデコレーションで飾り付けられ、“ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”を始め、「ドゥ・ラ・メール」の商品が一堂に会していた。

美容もカクテルを作るようにミクソロジーする時代

 プレビューではまず、リニューアルした“ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”の説明を聞いた後にタッチアップをし、その保湿力を体感!クリームは手の甲でとろけるように広がり、ベタつきもなく、保湿が長続きするのがすぐに分かった。その後、“プロダクト ミクソロジー”をテーマに、「ドゥ・ラ・メール」の商品を混ぜ合わせて使うことで生まれる効果などについて説明を受けた。ミクソロジーとはもともと、バー業界でカクテルを作る際に使う言葉で、野菜やフルーツ、その他カクテルに使わないような素材をミックスし、新しい化学反応を起こして斬新なカクテルを生み出すというもの。ニューヨークのバーシーンではバズワードとして浸透してきているが、スキンケアでも同じ発想ができるというものだった。

 “ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”と“リキッドファンデーション”の組み合わせは、ブラシで塗ることで薄づきなベースを完成させられるだけでなく、何より保湿力が続くという。他にも美容液とジェルクリームを混ぜ合わせるなど、自由に商品同士を混ぜ合わせスキンケアを楽しむのは、今までにない提案だ。試したことのない組み合わせが新鮮だったのは言うまでもなく、ニューヨークでも注目されているミクソロジーカクテルのトレンドとスキンケアの親和性も興味深かった。

発酵トレンドに先駆けた「ドゥ・ラ・メール」の技術

 次なるサプライズは奥の部屋にあった。扉が開いたかと思うと、そこには美しいテーブルセッティング。まずは「ドゥ・ラ・メール」の研究開発機関でもあるマックス ヒューバー リサーチラボ(Max Huber Research Lab)の研究員の方による、同ブランドの発酵とものづくりに対するレクチャーを拝聴。その後、「イレブン・マディソン・パーク」の発酵専門のシェフが登場し、発酵が人々の体にもたらすベネフィットを説明をしてくれた。日本人は古来より味噌や納豆、糠漬けなど、発酵食品に慣れ親しんだ生活を送ってきているが、近年では欧米でも発酵が注目を集めている。コンブチャはヘルシー思考の人々の間では当たり前のチョイスになっているし、ザワークラウトやケフィアなどの消費量も増加し、「ファーメンテーション(Fermentation. 発酵の意味)」というキーワードが徐々に聞かれるようになってきている。プレビューではマックス ヒューバー リサーチラボの研究員の方の指示に従い、発酵食品を混ぜ合わせて作るお茶を楽しむというセッションが行われた。その中には「ドゥ・ラ・メール」の商品成分としても重要な海藻もあり、我々日本人に親しみのある昆布や麹も用意されていた。

 約60年前に発酵技術に着目し、開発されたという「ドゥ・ラ・メール」にとって発酵とは重要なキーワードであり、切っても切り離せない当たり前のもの。昨今、健康維持にとっても注目されている発酵技術を実際に味わい、楽しんでもらおうという演出だ。蓋を開けてみれば、多くのファンを持ち、トレンドに左右されずに独自の処方でクリームを販売してきた「ドゥ・ラ・メール」は発酵技術では何歩も先を行きすぎていたのかもしれない。リニューアルした“ザ・モイスチャライジング ソフト クリーム”の効果が待ちきれない。

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