バロックジャパンリミテッドは、東京・原宿の旗艦店「ザ シェルター トーキョー(THE SHEL’TTER TOKYO)」を3月3日にリニューアルオープンする。3層(地下1階〜地上2階)約370平方メートルの店舗空間をフル活用し、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」が手掛けるD2Cブランドのポップアップスペースや本格的なアートギャラリー、フラワーショップなどを内設。アパレルの物販にとらわれない、「体験」と「発信」に重きを置いた設計だ。核となる「マウジー(MOUSSY)「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」の2ブランドは、派生ラインとともに世界観を表現する。
改装以前は「アズール バイ マウジー」を展開していた1階では、話題性のある商品や企画を定期的に入れ替え、来店動機を作る。村井博之社長は「リアルでしか味わえない体験と、ここでしか買えない希少性。この2つが今後の店舗の価値になる」と話す。「ゾゾタウン」発のD2Cブランドのポップアップ第一弾として、ユーチューバーのげんじによるメンズブランド「ウィム バイ リドム(WYM BY LIDNM)」を約1年にわたって展開する。Z世代の男性客の取り込みを狙い、入店してすぐの、明治通り側の区画にコーナーを設ける。松本恵奈がディレクターを務めるバロックの「スタイルミキサー(STYLE MIXER)」は都内初の常設売り場を構える。生花店BOTANICが監修するフラワーショップは、プロのフローリストが常駐して花束サービスを行う。
「マウジー」の売り場の中に
アートギャラリーを設置
2階の「アズール バイ マウジー」は、通常ラインのメインターゲット(20代)よりも大人向けの“クリーコンフォルト(CRIE CONFORTO)”、高感度ラインの“プラス(PLUS)”ととともに売り場を設ける。「(『アズール』は)15周年を迎え、年を重ねた顧客や“卒業生”にも新鮮に映るような、新しい世界観を見せていきたい」と村井社長は話す。
地下1階の「マウジー」は、ブランド立ち上げ当初からのコア商品であるデニムを全面に打ち出す。さまざまなカラーやシルエットの日本製ジーンズに加え、一点もののリメイク商品を用意する。同店でしか買えないスーベニアシリーズ“クラブ マウジー 303(CLUB MOUSSY 303)”や環境に配慮した大人向けライン“エムアンダーバー(M_)”も展開する。フロア中央には「ローヴス(LOVUS)」と名付けたギャラリースペースを設け、年間12〜15程度のペースでアートなどの個展を実施する。こけら落としはグラフィックアーティスト河村康輔の個展。また同フロアにはインスタライブなどで使えるスタジオも設けた。ここでの収録の様子や店内で実施するイベントなどは店舗壁面の巨大スクリーンに映し出し、原宿の街行く若者に店内の様子をアピールする。
外国人観光客の取り込みも念頭にある。特に「マウジー」は中国に200店舗以上を構え、現地での認知度が高い。村井社長は「現在の原宿・表参道はまだインバウンドが回復の途上にあるが、半年後には、“いい意味”でガラッと街の様子が変わっているはず」と期待感を口にする。店舗の年間売上高は3年以内に20億円規模を目指す。