大丸札幌店は6日、開業からちょうど20周年を迎えたのを記念して、先着2000人に紅白大福を配った。開店の午前10時には1階の正面玄関に約1000人が並び、1時間ほどで用意した紅白大福はなくなった。
同店は2003年3月6日、JR札幌駅南口の再開発に伴って開業した。関西を拠点にする大丸は北海道では後発で、丸井今井、三越、東急、西武に挑む格好になった。大丸はターミナル直結の好立地を生かし、地元のニーズを汲み取ったマーケティングを推進。10年2月期には札幌の不動の一番店だった丸井今井札幌本店の売上高を抜いた。19年2月期には過去最高となる669億円を記録した。コロナの打撃を受けたものの、22年2月期は494億円まで回復させ、23年2月期は1月末までで前期比17.3%増で推移させている。
開業当時の大丸社長だった奥田務氏(元J.フロントリテイリングCEO)が、徹底したコスト削減とマーケット対応による「新百貨店モデル」を確立させた店舗でもある。初年度から営業黒字を達成したことは語り草になった。休業が長期化したコロナ禍も含めて20年間ずっと黒字を維持するなど、抜群の収益性を誇る。
コロナの前後にかけて、手薄だったラグジュアリーブランドや高級時計の売り場を増床するなど、積極的な改装を行ってきた。行動制限がなくなり、訪日客も戻りつつある新年度(24年2月期)は、その成果が問われる。林研一店長は「再成長に向かう年」と位置付け、攻めの姿勢を貫く。