去年の秋、ウォータープルーフの指標が発表され、今春からその指標に対応した日焼け止め商品の発売が続いている。商品スペックに新表示が記載されるわけだが、簡潔にいえばブランドごとにその基準が異なっていたウォータープルーフの日焼け止めについて、業界内で統一基準を設けることになった、ということのようだ。(この記事は「WWDBEAUTY」2023年2月27日号からの抜粋に加筆をしています)
この指標の導入により、生活者はT.P.O.に応じて、よりフラットな視点でウォータープルーフタイプの日焼け止めを比較できるようになる。一方で、機能面では、ますます多機能・高機能へとシフト。スキンケア効果やメイクアップ機能を付加したり、“耐こすれ・耐皮脂”などバリア力を強化したりと、ブランドごとにユニークな個性が備わっている。
これはスキンケアの中では、いままでサブアイテムだったといえる日焼け止めが、いよいよ“主力”としての地位を確立しつつあるということだといえる。前述したウォータプルーフの新指標導入もあり、その日のイベントやシーンなど、T.P.O.に応じて、複数の日焼け止めを使い分けるという生活者も増えるはずだ。そこで、今回は新指標導入の舵取りをする日本化粧品工業連合会の畑尾正人科学部長 技術委員会フォトプロテクション部会担当と内山理恵総務部長 広報委員会担当に狙いを聞いた。
――SPF・PA表示に続き、新たに制定された「耐水性測定基準」を設けた経緯は?
畑尾正人日本化粧品工業連合会 科学部長 技術委員会フォトプロテクション部会担当/内山理恵同 総務部長 広報委員会担当(以下、畑尾、内山):これまで日焼け止め製品の耐水性について相対比較ができない欠点があったため、SPF指標で上限表示を決めた2000年くらいに、日本国内でウォータープルーフの指標も設けようという話が出たことはあった。しかし、当時はその試験法が確立されておらず、指標を設けるまでに至らなかった。ただ、生活者からはウォータプルーフタイプの日焼け止めについて相対評価ができないことから、共通の指標を求める声が増えていた。加えて、欧米でもウォータープルーフについて指標が設けられていたこともあり、今回、日本でも国際規格の制定に伴い、その方法に即した耐水試験法により、国内でも共通の指標を作ることになった。
――測定基準のために、どんな試験を行っているか?
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