レリアンから今春、D2Cの新ブランド「ループール(LOOPOOL)」がデビューした。ファーストシーズンは、幾何学レースのトップス(1万1000円)や異素材を組み合わせたタイトスカート(1万8700円)、2ウェイドレス(2万5300円)、レイヤードしたフレアスカート(2万5300円)、キャミソールドレス(1万5400円)、インポート生地を使ったトレンチコート(3万800円)など全13型がそろう。
「ループール」は新原料の調達を減らし、CO2の削減など環境負荷を軽減することを掲げたアップサイクルブランド。今年55周年を迎える主力ブランドの「レリアン(LELIAN)」や「ネミカ(NEMIKA)」、ライセンス事業の「ランバン(LANVIN)」といった同社7つのブランドや業態などで残った原料や資材など廃棄予定の素材を生地メーカーから調達し、活用する。
「春夏や秋冬といったシーズンも区切らず、生地が調達できたタイミングで、原料の特徴や分量に合わせてデザインを考え、新作を発表。分量の少ないものは、生地を使い合わせたり、アクセサリーのパーツにしたり、使用面積を抑える工夫をしている。これにより、型数を限りながらも質の良い商品を安価で提供することができる」と同社。またターゲットとしては当初、SDGsの教育を受けてきたミレニアル世代の女性を考えていたが、購入者は年齢層も幅広く、コートについては男性の購入者もいたため、今後はエイジレス、ジェンダーレスといった層も視野に入れるという。公式ECサイトでは、すでに売り切れの商品も多いが、トレンチコートとキャミソールドレスは継続品番として検討。幾何学レースのトップスと異素材のタイトスカートも別の廃棄予定の原料を用いて販売する予定だ。
同社は2021年、世界のアパレル産業が地球環境への問題に直面する中、社内でサステナビリティ活動を推進する委員会を立ち上げるなど、SDGsに対する関心を高めた。「ループール」はその一環として設立。「設立時に“ファッションを楽しみながら、SDGsの活動に参加する”というコンセプトを掲げたが、『誰かのためになっても、別の誰かが困ってしまうのであれば、SDGsの観点から外れてしまう』という考えに向き合った」。この課題をクリアするために約2年を費やし、ローンチに至ったという。今後は、ポップアップショップなどでの販売なども検討している。