パリコレは先週終わりましたが、もう少しだけ、その話を続けさせてください(笑)。
期間中、車で「ディオール」のモンテーニュ通り沿いの本店の脇を通過しました。ここには、記事にあるギャラリーの入り口があり、オープンから1年が経過した今なお行列ができています。
一方、東京都現代美術館で開催されている「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展は、チケットの争奪戦がなかなか収束しません(笑)。「朝早くに並んでも、入場は夕方!」ーー。そんなツイートを今なお時々見かけます。いずれにしても、「ディオール」の豊かな歴史と、ブランドのパワーを物語るエピソードです。
で、ここで提案。そろそろ日本のブランドも、展覧会をやってみては、いかがでしょうか?「ミナ ペルホネン」や「ヒロココシノ」じゃなくても、いいんです。例えばオンワード樫山の「23区」とか、ワールドの「アンタイトル」、TSIの「ナチュラルビューティーベーシック」でも、いいんじゃないか?と思っています。いずれも一世を風靡した時代があって、だからこそ今なお続いている。その変遷を振り返るのです。
例えば私には、上の記事にある通り「オゾック」(すでに終了)が1990年代に築いたPOSシステムによる、SPAの台頭という記憶が鮮明に残っています。会社の後輩と「アンタイトル」展に行ったら、あの頃の思い出話、(良いか悪いかは別として)その革新的なシステム、田山淳朗デザイナーという時代の寵児、学生時代を過ごした仙台という地方都市に路面店ができた時の驚きなど、1時間は語れます(後輩は、嫌がるかもしれませんがw)。展覧会として、正しく楽しめそうですよね?
そんな人は、少なくないと思うんです。こと日本のブランドなら、自分の思い出とリンクする人も多いハズ。満員御礼にはならないかもしれないけれど、「近くにあるから、ちょっと行ってみようか?」なんて存在にはなり得ることでしょう。
そんな提案をしたいと思うのは、あらためて”らしさ”、そしてドレスコードを内外で共有することの重要性を感じているからです。パリコレでは、「シャネル」や「ディオール」を筆頭に、歴史あるブランドのドレスコードが出てくると、それだけで高揚します。一方、ドレスコードがよくわからないブランド、あるハズなのに出てこないブランドのファッションショーは、消化不良です。私に、ものを見る力がないのかもしれません。でも、間違いないのは、みんなが共有しているドレスコードは、それだけでアガる。ファッションショーにおいて、上述のラグジュアリーブランドは、ハナっから勝ち戦なんです。
そんなアドバンテージを日本のブランドにもつかんでもらいたい!そう考えました。ブランド誕生15周年の「JW アンダーソン」さえ、下記の通り回顧しています。いつ、展覧会が始まってもおかしくありません(笑)。さぁ、20年以上続くブランドの皆さん、展覧会、いかがですか?「パーリーゲイツ」とか、カタログ読み放題だったら盛り上がるだろうな(笑)。
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