八木通商は、イタリアのカジュアルウエアブランド「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」の独占輸入販売権およびマスターライセンスを取得した。八木通商は2024年春夏コレクションから日本市場での取り扱いを開始し、マーケティングは八木通商子会社のスープリームス インコーポレーテッドが行う。これまでは、「シーピー カンパニー」の親会社トライステート ホールディングスの日本支社トライステート ジャパンが日本での代理店業務を担っていた。
都内で3月9日に行ったプレスカンファレンスには、八木通商の八木雄三社長と、「シーピー カンパニー」のロレンツォ・オスティ(Lorenzo Osti)社長兼GMが登壇した。八木社長は、契約に至った理由を「共通したビジョンや、トレンドに左右されないものづくり」と述べた。さらに、ブランドの主な顧客は40代以上で、主要市場の一つであるフランスでは70%近くの客層が16~30歳であることを例に挙げ、「日本でも20〜30代の若い客層に訴求していきたい」とコメントした。初年度の国内売上高目標は5億円。2024年1月には東京・原宿の明治通り沿いに210平方メートルの旗艦店と、兵庫・神戸トアロードに直営店を出店する。また、八木通商のネットワークを生かした別注品やコラボレーションも行いながら認知度を広め、5年後には日本での年間売上高60億円を目指す。
オスティ社長兼GMは「ヨーロッパの数あるブランドを大きく育てた実績のある八木通商と契約でき、喜ばしく思う」とコメント。日本での商品については「日本進出を記念したスペシャルなコラボ企画は鋭意計画中。ただ時期尚早だとも思っているので、1年目は何もしないだろう。限定アイテムをリリースすることで、その地域や国ごとに違うスタイルが乱立するようなことはしたくない」と説明。さらに、昨今話題になった「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI以下、アルマーニ)」や「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS以下、パレス)」との協業に至った理由についても語った。「『アルマーニ』は、父親がジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の大ファンだったが、生前に一度も会うことができなかった。そこで、『シーピー カンパニー』が50周年を迎えるタイミングで思いの丈を直筆の手紙で書いたところ、『アルマーニ』として初のコラボが決まった。『パレス』は、創業者のギャレス・スクイス(Gareth Skewis)と数年前に知り合い、それから親しい友人となった。ありがたいことにコラボの依頼は多いが、個人としての結びつきが強い親和性を大事にしている」と話した。
「シーピー カンパニー」は、「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」の創設者で、“アーバン・スポーツウエアを生み出したデザイナー”と称されるマッシモ・オスティ(Massimo Osti)が「チェスター・ペリー(CHESTER PERRY)」という名称で1971年に設立した。78年にその頭文字を取り、現ブランド名に変更。機能に根差したデザインを軸に、縫製後の商品を染色する“ガーメント・ダイ”を生み出すなど、高い製造技術で多くのファンを獲得してきた。現在はイタリアを始め、イギリスやフランス、韓国などを中心に世界各国で販売しており、22年の年間売上高は約1億2000万ユーロ(約173億円)。