国内ランニング市場が活気付いている。矢野経済研究所によると、2022年のランニングシューズの国内出荷金額推移(予測)は前年比19.3%増の947億円。コロナ前の19年と比べても100億円拡大している。各社は市場の動きをどう捉え、どんな戦略を行うのか。箱根駅伝でも存在感を示し始めたプーマと、22年12月期に過去最高売上高を記録したアシックスのトップに聞く。(この記事は「WWDJAPAN」2023年2月27日号の抜粋です)。
“草の根”活動でランの新たな選択肢に
萩尾孝平/プーマ ジャパン社長
萩尾孝平(はぎお・こうへい):1973年生まれ。同志社大学商学部を卒業後、1996年にさくら銀行(現 三井住友銀行)に入行。その後、スポーツメーカーでグローバルのフットウエア企画・開発に深く携わる。12年にプーマグループに入り、グローバルのランニングおよびトレーニングカテゴリーのフットウエア企画やビジネス統括を経て21年10月から現職 PHOTO:HIRONORI SAKUNAGA
WWDJAPAN(以下、WWD):スポーツ各社がランニングシューズを強化している。実際に商機が来ている?
萩尾孝平社長(以下、萩尾):ランニングは全てのスポーツの基礎で、パフォーマンスカテゴリーの中でも特にマーケットが大きい。コロナを乗り越え、マラソン大会も開催できるようになった。各国のメーカーが強化するのは当然の流れだ。われわれも2021年から国内パフォーマンスランニングに注力している。
WWD:数ある市場の中で、なぜ日本なのか?
萩尾:日本はグローバルの中でもランニングが根付いている。その象徴が箱根駅伝だ。6時間のレースを2日かけて全国ネットで放映し、老若男女が注目する国は他にない。DOとしてはもちろん、見て楽しむエンタメ性もある。この市場を強化しない手はない。
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