日本のファッション関連分野で働く女性の活躍を支援する団体として、2014年に設立されたウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WOMEN’S EMPOWERMENT IN FASHION以下、WEF)が3月末で解散する。3月15日に開かれた、設立10周年のシンポジウムでWEF創立者である尾原蓉子 名誉理事は、「われわれのような団体が旗振り役となって、業界全体を動かしていく段階は過ぎた。これからの課題は(総論ではなく)各論。性別問わず、全ての人が力を発揮して生きがいのある人生を送れる世の中にしていけるかどうかは、個々の会社や個々人にかかっている」と話した。
同シンポジウムでは基調講演として、宮地純カルティエ ジャパン プレジデント&CEOが、カルティエ ウーマンズ イニシアチブの活動や、25年の大阪・関西万博で出展する「ウーマンズ パビリオン」について紹介。その後、WEFの会員企業であるYKK、三井不動産商業マネジメント、阪急阪神百貨店、JR西日本SC開発、アダストリアの女性社員がWEFでの成果を報告した。大谷裕明YKK社長、大林修 三井不動産商業マネジメント社長、山口俊比古 阪急阪神百貨店社長、山口正人JR西日本SC開発会長、福田泰生アダストリア取締役も登壇し、エールを送った。
尾原名誉理事は「WEFの活動に飛躍する勇気をもらった、展望が開けたといった言葉をかけていただくことが多く、とても誇らしく、嬉しく思っている。ファッション業界の女性活躍のための潮流をWEFが作ってきたと自負している。とはいえ、日本社会の女性活躍の度合いはまだまだ。種はまかれ、芽は育った。それがここから大きく育つかどうかは、個々の企業、経営トップの考え方、個人が恐れずに変革しようとする心に託されている」と呼びかけた。