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「ザラ」親会社のインディテックス、23年1月通期は17%増収 インフレによる値上げの影響はなし

 「ザラ(ZARA)」や「ベルシュカ(BERSHKA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)の2023年1月期決算は、売上高が前期比17.5%増の325億6900万ユーロ(約4兆5922億円)、営業利益は同28.9%増の55億2000万ユーロ(約7783億円)、純利益は同27.6%増の41億4700万ユーロ(約5847億円)だった。

 ブランド別での売上高は、主力の「ザラ」(「ザラ ホーム(ZARA HOME)」を含む)は同21%増の237億6100万ユーロ(約3兆3503億円)、「ベルシュカ」は同10%増の23億8400億ユーロ(約3361億円)、「プル&ベアー(PULL & BEAR)」は同15%増の21億5200万ユーロ(約3034億円)、「ストラディバリウス(STRADIVARIUS)」は同13%増の20億5600万ユーロ(約2898億円)、「マッシモ・ドゥッティ(MASSIMO DUTTI)」は同4%増の15億9300万ユーロ(約2246億円)だった。

 地域別での売り上げの割合は、本拠地であるスペインが14.4%、欧州(スペインを除く)は47.5%、南北アメリカは20.0%、アジアおよびその他の地域は18.1%となっている。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、インディテックスは22年3月5日にロシアで展開する514店舗を全て休業し、オンラインストアでの販売も停止。10月には、ロシア事業をアラブ首長国連邦を拠点とするダヘル・グループ(DAHER GROUP)に売却することで初期合意に至ったと発表した。なお、ウクライナにある82店は現在も休業中だ。また、7月には「ベルシュカ」「プル&ベアー」「ストラディバリウス」が中国市場から完全撤退している。しかし、コロナ禍の影響が和らいだことなどから、全世界で見ると小売店での売り上げは同23%増となったほか、ECも同4%増と好調だった。

 オスカー・ガルシア・マセイラス(Oscar Garcia Maceiras)最高経営責任者(CEO)は、アナリスト向けの決算説明会で、「厳しい経済環境の中、トレンディーなコレクションと高いセルスルー率(小売店での実売率)といった強いビジネスモデルのおかげで素晴らしい業績を上げることができた」と述べた。なお、インフレ進行のため年間を通じて値上げを実施したが、売り上げに影響はなかったという。

 インディテックスは、23年度に設備投資として16億ユーロ(約2256億円)を計上している。これは物流施設の自動化や最適化のほか、店舗のアップグレードおよびオムニチャネル化の推進に使用する。スペインに次いで2番目の規模である米国市場にも投資する予定で、今後2年で主要なものだけでも約30のプロジェクトを実施する。

 同社はまた、スペインで労働環境に関するデモなどがあったことを受け、23年度は国内従業員の給与を平均20%引き上げることで労働組合と合意。マセイラスCEOによれば、賃上げ分は23年度予算に織り込み済みであり、大きな影響はないという。

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