ファッション

「ナチュラルビューティーベーシック」を復活させた“脱コンサバ”と“ベーシック再定義”

 TSIの「ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC以下、NBB)」の2023年春夏は、商品テイストを3つのライン別に細分化し、コーディネート提案の幅を広げる。ブランド単体の直近の売上高(2022年3〜11月)は前年同期比7.1%増。一昨年9月のリブランディング以降、着回しができる商品の強化が結果につながっている。

 一部店舗に導入する限定ラインの“リミテッドエディション”は、シアー素材のギャザーブラウス(8470円)やポリエステルサテンのカーゴパンツ(1万450円)など、鮮度の高いリアルトレンドをふんだんに取り入れる。“ブラン”ラインは花柄やドット柄のブラウス、スカートなどフェミニンなムードを前面に出す。これらに、「NBB」が強みとしてきたジャケットやブラウス、パンツ、スカートといった商品が中心の“ノームコア”ラインをミックスする。

 リブランディング以前の「NBB」は、無地のセットアップなどベーシックな商品ラインアップが働く女性に一定の支持を得ていたものの、一方で単調なMDが客離れを招いてきた。そこで単品ごとのデザイン性を高めつつ、組み合わせ次第でオン・オフに対応できる新しいMDへの転換を進めた。従来のコンサバなイメージが薄れ、コーディネートの楽しさが増した。

 ECの売上高も前年比約20%増と好調なペースで進捗している。従来は外注していたECの着用画像を自社スタッフ撮影に切り替えるなど、発信面の努力が実っている。ブランド運営を統括する野口麻衣子・TSI第1ディビジョン長は「ブランドのキャラクターの輪郭がはっきりして、お客さまにも伝わるようになってきた」と話す。

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百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

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