ファッション

「トミー ヒルフィガー」がショーン・メンデスとコラボ 地球環境を意識したニュー・クラシックのお披露目にロンドンは大騒ぎ

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、カナダ出身のシンガーソングライター、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)とのコラボレーションによる2023年春「トミー x ショーン クラシックス リボーン」コレクションをロンドンにて発表した。

 発売日となった3月20日、ロンドンのショップにはショーンのファンが多く駆けつけ、雨天にも関わらず開店前から長蛇の列を成した。午後には、リージェント・ストリートにある店舗でショーンとデザイナーのトミー・ヒルフィガーを迎えたストアイベントを開催。夜には、コレクションの発売を記念したディナー会が開かれ、キャンペーンキャストに起用されたジョージア・メイ・ジャガー(Georgia May Jagger)やアオキ・リー・シモンズ(Aoki Lee Simmons)、パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)、ジョーダン・ダン(Jourdan Dunn)、ショーンの妹アリーヤ・メンデス(Aaliyah Mendes)などが駆けつけた。コレクションは、現在販売中だ。

 今回のコラボコレクションは、スター&ストライプのラガーシャツやツイルチノ、バーシティジャケットなど、28ピースのメンズウエアとウィメンズウエアからなる。近年、スキニーからボクシーへとシルエットの好みが移り変わったというショーン自身の趣向に沿いながら、誰しもが着用しやすいリラックスしたフィット感でまとめ上げた。中でもショーンのイチオシである、現在のトレンドを取り入れたクロップドトップスは、ファン層の多くを占めるティーン世代の心を鷲掴みにしそうだ。

 デザインのインスピレーション源となったのは、90年代以前の「トミー ヒルフィガー」のプレッピースタイル。「クラシックを志向したからといって、ただのプレッピーでは退屈だ」と話すトミーは、現代的なシェイプやこだわりの生地を用いた「ツイスト」と、熱狂的な若年ファンを抱えるスター、ショーン・メンデスのキャラクターを加えることで、今日にふさわしいクラシックを描き出した。

 2人が目指したのは、ただファッションと音楽を組み合わせるだけではない、深みと社会的意義のあるコレクションだ。その最たるものは、サステナビリティへの取り組み。工場などで裁断した端材は再加工。色のついたパウダーにする新技術で作った染料を使用し、リサイクル繊維から快適な新繊維を生み出す最先端技術を結集するなど、どの製品もが持続可能性の高い工程を経て作られている。

 娘が運営するブランド「フー・アンド・フー(FOO AND FOO)」が推進するサステナビリティに感銘を受けたことが、自身のブランドでの推進につながったと話すトミー。この社会は持続可能でなければならないとし、「大きな流通を持つ私たちだからこそ、リーダーになることができる」と、多額の資金を投入し、環境問題に取り組むようになった。デニムを洗い加工する際、インディゴ染料が海や川に流れてしまうことを防ぐため、6年前からはレーザーを用いた加工に切り替えた。親会社が拠点を置くアムステルダムには、より持続可能性を向上させる方法を研究するチームも設置しており、服のレンタルや、ビンテージとなった過去コレクションの回収・再販など、循環型の仕組みづくりにも励んでいる。

 トミーは「本当の意味でのハートとソウルを持った、素晴らしい24歳」と、環境負荷について真剣に考え、自ら学ぶショーンを称えた。3年ほど前に、ファストファッションがいかに環境に影響を及ぼしているかを知ったショーンは、自身のアーティスト・マーチャンタイズにも最大限のサステナビリティを求めるようになった。

 1998年に生まれ、両親がファンだった「トミー ヒルフィガー」の服を着て育ったショーンは、同ブランドを通してファッションや服に対しての理解を深めてきたという。そんな彼は、「こうしてコラボできるのは大変光栄なこと。夢を見ているようだ」と話し、このコレクションでの環境問題への取り組みが、「トミー ヒルフィガー」のブランド規模だからこそ成せる世界的なインパクトを残せることに、より意義を見出している。製品そのものをサステナブルに作るだけではなく、その思想を周囲へと広げていくことも大切なこと。ショーンは、「よりサステナブルなものへと押し進めるダイヤルの回転のひとつひとつが、最終的に世界を変えることになると信じている」と語った。

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