ユナイテッドアローズは3月31日、ECを主軸に展開してきたオリジナルブランド「シテン(CITEN)」の初の実店舗をららぽーと立川立飛2階にオープンした。これまでは都市部を中心にポップアップを開催してきたが、「お客さまの生活圏に寄り添い、さらなる認知拡大を目指す」と神永和洋シテン課課長。
売り場面積は、約151平方メートル。商品構成はウィメンズ4割、メンズ3割、雑貨3割。メンズの8割は、ユニセックスで展開する。商品数は21年のスタート時から倍の400品番まで増えた。特にパテッドトートバッグを筆頭にロゴを配した雑貨類の人気が高く、アクセサリーなどにも広げている。レジ前のスペースでは、そうした雑貨類を集めて見せる。特に要望の多かった試着室は3つ用意した。ららぽーとにはファミリー層の来店が多いことを考慮し、店内の動線は広く確保して試着室はベビーカーでも入れるよう広々とした空間になっている。
商品は全型全サイズを店頭に出し、客自身に選んでもらう“ハーフセルフ”形式で販売する。販売人員は「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」の7割程度に抑え、効率を重視するという。接客が強みの同社としては、初めての試みだ。店舗開発の伊達崇担当は、「お客さまのリアルな声に耳を傾けてみると、過剰なセールスは求めていないようだ。当社には接客が好きなスタッフも多いが、お客さまのニーズに合わせて僕らのマインドも変化させなければいけないと思った。こうした新たな取り組みに挑戦し得た知見を既存事業に還元してくことも『シテン』の役割だ」と話す。
店舗入口スペースでは、“シテンミーツ”と題してさまざまなアーティストとのコラボ企画を見せる。第一回は、若手イラストレーターのコンビニエンスヤング(CONVENIENCE YOUNG)をフィーチャーし、オリジナルバッグに好きなワッペンをつけられるワークショップを開催する。「店の前を通る度に何か楽しいことをやっている店にしたい。以前下北沢でポップアップを開催したときに、お客さま同士が交流している姿を見てすごくいいムードだった。そんな空気感をここでも再現し、コミュニティーを作りたい」と伊達担当。
4月にかけて湘南平塚店と海老名店のオープンが続く。4月付で組織改変も行う。これまでは「スモールビジネスユニット」に属していたが、新たに「シテン部」を創設し、成長をさらに加速させるという。