ヘアだけでなく、メイクアップもこなす美容師を“二刀流美容師”としてピックアップする連載企画。インスタグラムによる集客が主流となった今、ヘアスタイル投稿だけでなく、メイク投稿もできるとサロンユーザーの関心をより引き付けられるため、注目度が増している。第3回は「SHIMA HARAJUKU LEAP(シマハラジュク リープ)」のSAYAKAトップスタイリストに、 メイクを始めたきっかけや、美容師がメイクもやることのメリットを聞いた。
WWDJAPAN(以下、WWD):メイクにはどのように取り組んでいる?
「SHIMA HARAJUKU LEAP」SAYAKAトップスタイリスト(以下、SAYAKA):メイクは、お客さまのご希望があればお受けする形にしている。あと撮影の際は、極力自分でメイクをするようにしている。ヘアを作るうえでメイクの感じも合わせていかないと、トータルスタイルを打ち出すことはできないと思う。
WWD:顧客からの希望があるのはどんなとき?
SAYAKA:最近だと成人式や卒業式のセットが多い。あと普段のメイクでも、「韓国風にしたいけれど、自分ではできない」というお客さまから求められるケースも多い。
WWD:メイクはいつから、どのように勉強している?
SAYAKA:私はヘアだけでなくメイクもすごく好きで、学生のときから個別にメイクレッスンを受けに行ったり、モデルに施したりして勉強していた。あとユーチューブのメイク動画も役立った。入社してからは、1年目から先輩のコンテストや撮影に同行させてもらってメイクをしていて、スタイリストデビューと同時にお客さまにメニューとして提案し始めた。
WWD:以前からインスタグラムにメイクの投稿をしている。
SAYAKA:メイク系の投稿も結構行っていて、評判もいい。最初にフォロワー数が伸びたのは、メイクの投稿を行ったときだった。“盛れる”といったワードや、“純欲メイク”(血色感などであどけなさを強調したメイク)など流行りのワードを入れるとアクセス数が伸びる傾向がある。
WWD:メイクのトレンドや技術はどこから仕入れている?
SAYAKA:私は“BLACKPINK”などの韓国アイドルが好きなので、彼女たちを担当するメイクアップアーティストのインスタグラムやユーチューブを見ている。あと(欧米系の)海外からインスパイアを受けることも多いので、海外セレブのSNSもチェックしている。
WWD:美容師がメイクにも取り組むことのメリットは?
SAYAKA:取り組んでいる美容師が少ないので武器になるし、撮影にも有利だと思う。あとお客さまに「この人はヘアもできるし、メイクもできる」と認識してもらえることで、安心感というか“分かってくれている感”が生まれ、安心して任せてもらうことができる。お客さまにも「このアイシャドウの色、似合いそうですね」などと提案したり、お客さまからも「どんな感じのメイクが合いますか?」などと聞かれることが多くなったり、コミュニケーションの幅が広かる。
WWD:今年の春夏に提案するヘアカラーのトレンドと、それに合わせるメイクは?
SAYAKA:やっぱり春先は明るめのヘアカラー。「イルミナカラー」から4月6日に登場する新色3シェード(“マリーン”“ビーチ”“サンセット”)のようなベージュ系が流行ってくる。それに合わせるメイクは、コーラル系などの暖色系で艶のある感じがいい。ベースを艶のあるものにしたり、ハイライトなどもパウダーではなく練りものを使ったりするのがおすすめ。艶感がすごく大事。
WWD:SAYAKAさんがヘアを手掛けた「イルミナカラー」新色3シェードのビジュアルでも、艶のあるメイクだった。
SAYAKA:(メイクは「SHIMA」ヘアメイクチームが担当したけれど)全体的にナチュラルで、リップもコーラル系で仕上げてくれたり、艶感のあるアイテムを使ってくれたりして、すごく良かった。
WWD:「イルミナカラー」の新色3シェードに代表されるような、解放感のあるL.A.(ロサンゼルス)のムードを感じさせるトレンドもあると思うが、L.A.トレンドのヘアに合わせるメイクは?
SAYAKA:L.A.でも、コーラル系で艶感のあるヌーディーなカラーが流行っている。またセレブのインスタグラムを見ていると、リップペンシルの薄い色でラインをとってヌーディー系で仕上げるリップラインも流行っているので、そういうのを取り入れたい。
WWD:L.A.テイストを求める方には、どのようなヘアカラーを提案する?
SAYAKA:ハイライトをベースにしたい人が多いので、「イルミナカラー」をかぶせて使い、きれいにベースカラーを出したいと思う。徐々に海外旅行に行けるようになってきていて、留学生を担当することも多いので、実際のサロンワークでも提案している。
WWD:例えば「イルミナカラー」の新色3シェード、“マリーン”“ビーチ”“サンセット”を使った場合、どんなヘアカラー&メイクを提案する?
SAYAKA:“マリーン”はくすみ過ぎないベージュのイメージで、きれいに赤味を消しつつ、ベージュ感の強い仕上がりをかなえることができる。それに合わせるメイクはハイライトでメリハリをつけて、肌の艶感と髪のコントラストをつける感じの提案をしたい。“ビーチ”はアッシュ味が少なく、春夏っぽい軽めのベージュで柔らかい雰囲気に仕上がるので、「明るくしたい」「柔らかくしたい」というお客さまにおすすめ。そういうお客さまには、艶感のあるメイクや、コーラル系のメイクを合わせたいと思っている。“サンセット”はピンクブラウンが好きなお客さまや、パキッとしたピンクと赤の間の色にしたいお客さまに提供したい。そういうお客さまには、ちょっと濃いブラウンや赤寄りのブラウン、赤っぽいメイクをおすすめしたい。