専門店チェーン、セレクトショップの2023年3月度売上高(既存店ベース)は、高気温が続いたことと、昨年まん延防止等重点措置が出されていたことの反動を受けて、2ケタ増が目立った。外出着のニーズが強く、値上げをしても客数は落ちていないといった声が多い。
国内ユニクロは前年同月比11.9%増。前年3月は同10.7%減だった。「お出かけ機会が増え、“エアリズム”インナーや「UT」と共に、タックワイドパンツや“感動ジャケット”、カーゴパンツ、ユーティリティージャケット、“ブロックテック”パーカなどの外出着が売れている」と広報担当者。うち、“感動ジャケット”は1000円値上げして6990円となっている。一部商品の値上げ影響もあり客単価は同11.0%となったが、客数も同0.8%増と落としていない。「値上げによる客離れはない」という。
「ファッションセンターしまむら」(2月21日〜3月20日)は同7.1%増、前年3月は同2.9%増だった。「気温上昇により、婦人、紳士、子ども向けの春物、初夏物アウターが伸長した。外出需要で婦人のバッグや帽子も売れた」(発表資料から)。
「無印良品」は同14.6%増、前年3月は同10.0%減だった。注目は、刷新中の衣服・雑貨カテゴリーが同33.2%増と大幅に伸びている点。全品10%オフとなる「無印良品週間」を17〜27日に実施したことによる押し上げもあり、「インナーや春物衣料が紳士、婦人ともに好調だった」(発表資料から)。
アダストリアは同11.1%増、前年3月は同8.5%増だった。「商品値上げもあり客単価は同10.5%増となったが、客数も同0.5%増と前年実績を超えており、手応えがある」と金銅雅之常務。
ユナイテッドアローズは同18.3%増、前年3月は同8.6%。「スーツ、ジャケット、シャツ、ブラウスなどのビジネスアイテムに加えて、カットソーやスニーカーなどのカジュアル衣料のニーズも強く、売り上げ伸長につながった」(発表資料から)。