ポリ乳酸(PLA)繊維の「プラックス(PLAX)」を開発したスタートアップ企業バイオワークス(BIOWORKS)は、新たな自社ブランド「エヌイー(NE)」を立ち上げた。4月5〜7日に東京ビッグサイトで開催された合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO )2023春」で初披露した。2023年秋から自社ECサイトとポップアップを主販路に販売する。
社内のデザインチームが企画するアパレルを中心に、枕カバーなどの寝具や生活雑貨もそろえる。同展では「プラックス」100%のカットソーのほか、「プラックス」30%にメリノウール70%を混紡したニットアップ、「プラックス」100%でナイロンのような風合いに仕上げたジップアップブルゾンとパンツのセットアップなど約20型を展示した。いずれも価格は未定。商品デザインの仲里遥香担当は、「まだ試作段階だが、将来的にはセレクトショップとの別注企画などにも挑戦したい」と話す。
「プラックス」はサトウキビを主原料とするポリ乳酸に、独自に開発した植物由来の添加物を加えて染色性や耐熱性を高めた合成繊維。同社の調べでは、石油由来のポリエステル糸と比較して製造時のCO2排出量が35%抑えられるという。一定の温度や湿度の環境下に置くと水と二酸化炭素へと分解される生分解性の特性を持つ。製品の循環スキームも構築中で、「プラックス」と綿の混紡製品の分解はラボレベルで実現しているという。同社はこれまで天然由来の抗菌・消臭性を生かした自社ブランド「バイオ(BIO)」でタオルやルームウエアを販売してきたが、「エヌイー」ではよりファッション性を意識したアパレルに力を入れ素材の汎用性をアピールする。