引き続きゴルフウエア市場への期待は高い。新規ブランドラッシュこそ減速したものの、人気ゴルフ場の予約がなかなか取れない状況が続く。エントリーユーザーが増え、150〜200の新規ブランドが参入するなど、ゴルフウエア市場を取り巻く環境は数年で激変した。主要ブランドやブランドの動向からコロナ収束後の市場を占う。(この記事は「WWDJAPAN」2023年4月10日号からの抜粋です)
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ゴルフブームを反映して全国で最も激しい商戦が繰り広げられるのが、東京の新宿エリアである。
昨年春に伊勢丹新宿本店、高島屋新宿店がゴルフ売り場を大幅増床し、スポーツ専門店のアルペンは大型旗艦店「アルペントーキョー」内に2フロアの「ゴルフ5」を開いた。百貨店のゴルフウエアで日本一の規模といわれた小田急百貨店新宿店が本館の閉店に伴って大幅な売り場縮小を余儀なくされたため、このパイを奪う動きとゴルフ人気を商機にしたい思惑が重なった。
高島屋新宿店は売り場面積を従来の3倍の約1,000㎡に拡大し、百貨店として関東最大級の規模にした。手薄だったクラブなどの用品を充実させるため、専門店の有賀園ゴルフを誘致した。「売り上げも3倍、客数も3倍と計画通りに推移した」と担当の京瀧文雄副部長は胸を張る。
「マンシングウェア」「パーリーゲイツ」など百貨店で扱う定番をしっかり押さえて50〜55歳の世代の期待に応えつつ、「アー・ペー・セー ゴルフ」「ブリーフィング ゴルフ」「ムータ・マリンゴルフ」など30〜40代の若いゴルファーにも響く顔ぶれをそろえる。ウエアから用品まで広い空間を生かした総合的な品ぞろえで来店頻度を高める。かつては百貨店のゴルフ売り場の来店客の山は60代だったが、若返りに成功した。
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