REPORT
タイムレスな音楽に揺り動かされる思い出と感情
紫色に彩られた空間に流れるジャズやスイング、ブルース。「ドルチェ&ガッバーナ」はジャズクラブにいるような錯覚さえ抱く空間の中、ジャンルと時代を超えた音楽に着想したコレクションを披露した。
コレクションは、ニューヨーク発のセブンピースバンド「ザ・ホット・サーディンズ」によるスイングジャズの生演奏にのってスタート。サックスやベースなどジャズやブルース、スイングを奏でる楽器をプリントしたカッティングシャツやブルゾン、音符や鍵盤などをモチーフにしたフーデッドパーカが現れた。ト音記号や“CLUB”の文字が躍るスエットなどに加え、上下白で統一した1つボタンでボックスシルエットのセットアップスーツやゴールドの椰子の木が刺繍されたジャカード織りのイブニングジャケットなど、1930年代を彷彿とさせるレトロなバカンススタイルなども登場する。
中盤以降、インスピレーション源の音楽は、ジャズやブルースからテクノやヒップホップに変化。音符やロゴのモチーフはストリートライクなグラフィティ調に変化し、ステレオやカセットテープに混じってレオーパードモチーフも現れる。スタイルもビッグボーリュームのフーデッドパーカーやボンバーズなどが登場。ラジカセを片手に、ヘッドフォンで歩きながらヒップホップを楽しむストリートキッズ、そして、かつての「D&G」を彷彿とさせた。
スペシャルゲストとして、モデルにシンディ・クロフォードの息子カイア・ガーバーやジュード・ロウの息子ラファティ・ロウが登場。フロントローには動画SNS「Vine」のフォロワー数が900万人を超えるキャメロン・ダラスといった“ミレニアム ジェネレーション”と呼ばれるインフルエンサーが並んだ。目を引く大胆なモチーフ使いのコレクションピースや派手な演出など「ドルチェ&ガッバーナ」らしいスタンダードの中に、新しい未来が垣間見えた。