ファッション

ファストリは20.4%増の1兆4673億円、通期も上方修正 10年後に10兆円計画も 23年8月期上期

 ファーストリテイリングは、2023年を「第4創業」として、グローバルナンバーワンへの挑戦を加速し、10年後の10兆円達成を目指す。23年8月期上期(22年9月~23年2月)の決算会見で柳井正会長兼社長が明かした。昨年度から取り組んでいる「収益性の多様化」が進み、ユニクロ(UNIQLO)の東南アジアや欧米などの海外事業や、ジーユー(GU)が高成長軌道に乗ったことで大きな自信を見せている。

 23年8月期上期(22年9月~23年2月、国際会計基準)決算は、売上高に当たる売上収益が前期比20.4%増の1兆4673億円、営業利益が同16.4%増の2202億円、純利益が同4.5%増の1533億円だった。

 特に海外ユニクロ事業で、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益となり、本格的な成長フェーズに突入。海外ユニクロの売上収益は半期で1620億円増え、同27.3%増の7552億円となった。コロナ禍でのコスト構造改革の寄与に加え、「服への需要が急速に変化し、LifeWearへのニーズが高まった」(岡﨑健ファーストリテイリング取締役CFO)ことや、「ブランディングや地域に根差した商売を強化するなど、積極的に事業拡大を進めたこと」が奏功。営業利益は22.2%増1226億円になった。グレーターチャイナは中国大陸でコロナの影響があり減収大幅減益となったが、1月以降は回復基調にあるという。

 国内ユニクロ事業は売上収益が526億円伸び、同11.9%増の4951億円となった。既存店売上高が同10.0%増となった。一部商品の値上げを行ったが、比較的単価の高いアウターやニットの販売の好調や、値引き率の改善などもあり、客単価は同11.8%増となった。EC売上高は794億円で同9.7%増。EC化率は16.0%となった。ただし、急激な円安による調達コストの上昇により粗利益率が低下し、営業利益は同1.6%減の673億円だった。

 ジーユー事業は今上期、売上収益が227億円伸び、売上収益が同18.5%増の1455億円、営業利益が同39.2%増の130億円となった。品番数を絞り込み、シーズン後半までマストレンド商品の数量を確保して積極的に商売を行ったことで既存店が伸長。EC売上高も大きく伸び、EC化率は13%になった。

 通期(23年8月期)の業績予想は、売上収益を300億円増額修正し、同16.5%増(為替の影響を除くと約13%増)の2兆6800億円、営業利益は100億円増額修正し、同21.1%増(同約18%増)の3600億円、当期利益は同12.2%減(同約17%増)の2400億円を見込む。

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