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百貨店の売り上げ構成に異変 松屋で「身の回り品」が「衣料品」を抜く

 松屋の2023年2月期連結業績は、総額売上高が前期比34.7%増の876億円、営業損益が3億4700万円の黒字(前期は22億円の赤字)、純利益が同4倍の43億円になった。行動制限がなくなったことで客足が回復。営業損益を3年ぶりに黒字にした。

 けん引したのはラグジュアリーブランドだった。同社は銀座と浅草で百貨店を運営しており、連結売上高の約85%を銀座本店で稼ぐ。立地の強みを生かし、近年は「ルイ・ヴィトン」をはじめとしたラグジュアリーブランドを強化してきた。それが消費旺盛な国内富裕層や回復しつつある訪日客需要の受け皿になった。

 百貨店の商品別売上高では、ラグジュアリーブランドの多くが含まれる「身の回り品(バッグ、シューズ、革小物など)」が前期比78.3%増の275億円に成長し、構成比では8.1ポイント増の34.1%になった。「衣料品」は同11.0 %増の181億円で、構成比では5.1ポイント減の22.4%だった。「身の回り品」が初めて「衣料品」を上回り、構成比のトップになった。

 日本百貨店協会によると、全国の百貨店の商品別売上高の構成比(22年)は「衣料品」が26.6%、「身の回り品」が15.3%、「食料品」が29.0%となっている。2000年頃まで「衣料品」が40%前後のトップシェアを長らく保ってきた。売り場面積でも「衣料品」が最大だった。しかし、その後「衣料品」の売上高はじわじわと低迷し、コロナ下に入って「食料品」に主役の座を明け渡した。あくまで平均であり、都心と地方・郊外の百貨店では全く状況が異なる。銀座を拠点にする松屋ではラグジュアリーブランドの勢いが如実に出た格好だ。

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