オンワードパーソナルスタイルのスーツを主力としたオーダーメイド業態「カシヤマ(KASHIYAMA)」はこのほど、東京・吉祥寺の路面店を移転・増床オープンした。増床後の売り場面積は175平方メートルで、「カシヤマ」の直営店では新宿東口店などと並んで都内最大級。新たに取り扱うウィメンズスーツやパンプスはフルラインアップをそろえ、働く女性にアピールする。
店舗は、JR吉祥寺駅北口から西に延びる中道通りを歩いて5分ほどの場所にある。通りには婦人服のブティックや個人商店などが並び、平日の昼間でも通行客がさかんに行き交う。店舗の入り口付近には女性マネキンが置かれ、ウインドー越しに女性客に訴求する。商品ラインアップはウィメンズが大半。5室のゆったりとした試着スペースは、プライベートな空間で吟味したいという女性のニーズを反映した。
試着・オーダーできるウィメンズ商品は、ジャケット、ブラウス、パンツ、スカートの計24型。加えてパンプスがサイズ別にずらりと並ぶ。「カシヤマ」のウィメンズのスタート当初(2018年)はメンズと同じく、選べるのはジャケット、パンツ共に1型のみだったが、「自分に似合うシルエットのものを着たい」「パンツではなくスカートも試したい」という声を受け、ラインアップを拡充してきた。
売上高全体の3割を占める
ウィメンズの成長がカギに
吉祥寺店の近くには高級住宅街もあり、普段からスーツを着るキャリアウーマンが主なターゲットとなる。茂木洋店長は、「吉祥寺に住む人々は地元への愛着が強く、人とのつながりを大切にする方が多い」と話す。「メルマガやSNSなどデジタル上のコミュニケーションだけでなく、店舗での丁寧な接客を通じて口コミを広げ、顧客を増やしていきたい」。
「カシヤマ」は現在、全国の百貨店など商業施設に60以上のインショップを構える。17年の立ち上げ以降は好調から積極的な出店戦略を続けてきたが、コロナ禍で水を差される形となった。今後は路面店に集中投資し、発信拠点としての役割を強めてブランド力と認知を高める。同時に、現在は売上高全体の約3割にとどまるウィメンズの売り上げ拡大を成長のドライブとする。