4月は新入社員が働き始めるほか、転職や異動などにより新たな職場で仕事をスタートする場合もあるだろう。そこで今回は、ドキドキしながらファッション&ビューティ業界に足を踏み入れた人に向けて、日米中韓の「WWD」エディターが業界の現在地と2023年の展望を解説する。中国といえば、2022年は厳しい外出規制の影響を受けた企業も多かったが、23年1月には渡航制限も解除され景気回復への期待がかかる。「WWDCHINA」のバイス・プレジデントが、中国市場に未来について語る。(この記事は「WWDJAPAN」2023年4月3日号からの抜粋に加筆したものです)
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2022年末、中国はコロナ禍に関連した規制のほとんどを解除した。世界経済の重しとなっていた要因がやわらぎつつある現在、新たなテクノロジーやサステナビリティへの投資といった次のレースが始まっている。
ファッション業界を含め、中国経済の復活を願う声は多いが、消費者心理と市場需要はいずれも大幅に変化している。景気や消費意欲はいつになったら戻るのだろうか?ここ3年ほど“回復”という言葉が繰り返されているが、消費からサプライチェーンに至るまで完全に回復するには、あと3年ぐらいかかるかもしれない。
ポジティブな話をしよう。実店舗に客足が戻ったこともあり、23年第1四半期の売り上げは上向いている。値下げ圧力があまりなく、在庫レベルも改善しているため、株価収益率は低いまま1株当たり純利益が上がるという、中国で野球のダブルプレーにちなんで名付けられた“デイビスのダブルキル(併殺)”と呼ばれる状況の発生が期待される。こうした経済環境下において、起業家はリスクを意識しつつも潜在的なビジネスチャンスの増加を感じ取り、“失われた3年”を取り返すべく積極的に動くものだ。
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