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「ランバン(LANVIN)」を4年間率いてきたブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)=クリエイティブ・ディレクターが退任する。クリエイション体制の刷新に伴うもので、今後は現在売り上げの半分以上を占めるレザーグッズとアクセサリーのさらなる強化に取り組むほか、新たに立ち上げるプロジェクト「ランバン ラボ(LANVIN LAB)」に注力する。「ランバンラボ」では、才能ある国際的な新進デザイナーを招へい。“クリエイティブなパートナーシップ”を通して、新たなアイデアやコンセプトを発展させていくという。最初のゲストデザイナーは数週間以内に発表される予定だ。また、同プロジェクトはメーンとなるメンズ&ウィメンズのプレタポルテ・コレクションと並行するもので、パリコレでのショーは継続すると見られる。
シッダールタ・シュクラ(Siddhartha Shukla)=デピュティ・ジェネラルマネジャーは、「『ランバン』は、新たな章を迎える準備が整った。130年以上前にジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)がブランドに据えた価値観を大切にしながら、ブランドを再構築していく中、大きく刺激的な変化の時にメゾンをファッションとカルチャーの最前線に位置づける」と説明。「私たちの(ビジネス)モデルは、クリエイティビティーにおけるユニークかつモダンな基盤の中で、『ランバン』の豊かな伝統と洗練を高めるものだ」と付け加える。
シュクラ=デピュティ・ジェネラルマネジャーが2021年に就任して以来、同ブランドはロゴ刷新やスティーブン・マイゼルによるモノクロのキャンペーンビジュアルなどイメージ面の刷新に取り組み、商品戦略も全面的に見直している。シアレッリは在任中、よりカジュアルになったメンズに「バットマン(Batman)」や「ぞうのババール(Babar the Elephant)」といったキャラクターを用いたり、ウィメンズのキャンペーンにパリス・ヒルトン(Paris Hilton)を起用したりして話題性を追求していたが、最後に手掛けた23-24年秋冬を含む最近のコレクションは“パリ最古のファッションメゾン”という名声に呼応するような控えめでシックなスタイルを基調としていた。
シアレッリは「この4年間、『ランバン』で成し遂げたことを強く誇りに思う。そして、ユニークな才能と献身によって、この素晴らしい冒険を共に歩んでくれたメゾンと私のチームに感謝したい」とコメント。彼の今後については、明らかになっていない。
なお、イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」やイタリアのメンズウエア「カルーゾ(CARUSO)」、オーストリアのレッグウエア「ウォルフォード(WOLFORD)」なども擁するランバングループ(LANVIN GROUP)は昨年12月、ニューヨーク証券取引所に上場。22年の業績は、売上高が前年比67%増の1億2130万ユーロ(約177億円)となった旗艦ブランド「ランバン」の後押しにより、好調だった。「ランバン」は現在、レザーグッズや太いシューレースが特徴の“カーブ”などのスニーカーで若い世代の顧客から支持を得ている。