「エルメス(HERMES)」は、イタリア・ミラノで開催されている「ミラノサローネ 2023」で新作ホームコレクションを発表した。テーマは“本質的なものに宿る力”で、アルカイズム(懐古主義)、自然界からの活力、ミニマリズムの精神が息づくコレクションになっている。
華美なものに対するアンチテーゼである鉄筋の格子模様とコンクリートで構成された会場に、アームチェアやソファなどの家具をはじめ、ランプやブランケット、テーブルウエアなどをそろえた。交差するラインとグリッドが力強い空間に、ブロンズやガラス、木、レザーなど素材の本来の持ち味を生かした引き算の美学が体現されたオブジェが映える展示だ。
デザインは、デンマーク人のセシリエ・マンツ(Cecilie Manz)やイギリス人のジャスパー・モリソン(Japser Morrison)、フィンランド人のハッリ・コスキネン(Harri Koskinen)、フランス人のピエール・シャルパン(Pierre Charpin)などが手掛け、温かみのあるエレガントな仕上がりになっている。テーブルウエアやラグ、ブランケットには、メゾンのルーツである馬を想起させるデザインがさりげなく登場。時の流れと共に美しく輝きを増すモノ作りの本質を表している。