ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、ビューティブランドのサクセスストーリーを分析。(この記事はWWDジャパン2023年4月24日・5月1日合併号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
ロレアルが「イソップ」を買収 取引額は3250億円超えか?
「ビュリー」が日本初のカフェ併設店を神戸にオープン
仏ロレアルの「イソップ」買収は、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(以下、ビュリー)」と同じ道筋をたどっているように感じた。「ビュリー」も2021年にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループに買収されたビューティブランドで、どちらも日本では上陸当初セレクトショップのビューティ売り場に並び、ファッション・ビューティ業界人から支持され、じわじわと知る人ぞ知るオシャレなブランドとして地位を確立。それがコロナ禍を通じて、店舗数が増え、一般的な知名度も上昇していったと分析している。そこで思うのは日本人は“ああいったオシャレ感”につくづく弱いということ。
火が付く5秒前のビューティブランドとは
「ビュリー」に着目すれば、1803年にパリで創立した総合美容専門店「ビュリー」を2014年に再発掘して、人気ビューティブランドへと成長させたラムダン・トゥアミの手腕が大きいだろう。彼のセンスによって「ビュリー」はいわばリブランディングされたと言ってもいいと思う。19世紀のパリをほうふつさせる芸術的で美しい店舗内装やパッケージデザイン、一人一人丁寧な対面接客、プレゼント包装を頼めばカリグラフィーのサービスもしてくれるような世界観は、それまでのビューティブランドとは一線を画すようなオシャレな演出といえる。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。