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「フェンディ」の「ハンド・イン・ハンド」東京展の見どころを紹介 日本人アーティストとコラボした世界初披露の新作も

 「フェンディ(FENDI)」による世界巡回展「ハンド・イン・ハンド~卓越した職人技への称賛」が、東京・原宿のジング(JING)で5月8日まで開催している。同展は、メゾンの真髄である職人の手仕事に敬意を表し、ブランド本拠地のイタリア・ローマで2021年10月から約3カ月間開催していたもので、2番目の巡回地として日本に満を辞して上陸した。会場には、職人の匠の技が詰まったアートピースのようなバッグを多数展示している。

 東京展では、シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)=アクセサリーおよびメンズウエア部門アーティスティック・ディレクターがデザインした、メゾンを代表する2つのアイコンバッグ、“バゲット(Baguette)”と“ピーカブー(Peekaboo)”にフォーカスする。

“バゲット”は見ごたえ十分の20種類

 1997年に誕生した“バゲット”の展示スペースでは、「フェンディ」が2020年に発足した、イタリア各地の職人たちの伝統技術を称えるプロジェクト“ハンド・イン・ハンド”でコラボレーションしたバッグが並ぶ。さらに、東京での開催を記念し、日本の伝統工芸師とコラボレーションした作品を加えた20点が一堂に介する。各地に古くから受け継がれてきた伝統工芸技術を使って再解釈した“バゲット”は、どれもクリエイションと匠の技が融合した逸品ばかり。細部まで精巧なつくりのバッグに、つい時間を忘れて見とれてしまうほどだ。

 日本の伝統工芸士とのコラボレーションでは、栃木・足利で創業80年を誇る「にしかた染織工房」の4代目、西形彩とタッグを組んだ。西形は、紺や紫、桃、橙、黄といったポップな色に手染めしたウール糸を手織りし、多彩なトーンを複雑に組み合わせている。西形は「『フェンディ』から声がかかったときは驚いたが、とても光栄なこと。工芸技術を見てもらう機会が増えるので、一丸となって素敵な作品を作り上げたいという思いで完成させた」と振り返る。表面が美しくグラデーションするつづれ織の仕上げについては、「つづれ織の部分は、色の見え方(長さ)を緻密に計算し、手で細かくコントロールしながら織り上げた」と説明した。

“ピーカブー”は世界初披露の3作品も

 もう一つのアイコンバッグ、“ピーカブー”のコーナーも見ごたえある構成だ。会場には、シルヴィアがデザインした真っ白いキャンバス地の“ピーカブー”に、世界各国のアーティストらがそれぞれのクリエイションを表現した作品が並ぶ。顔ぶれはさまざまで、小川貴一郎やマイケル・ラウ(Michael Lau)、香港の女優で起業家のカリーナ・ラウ(Carina Lau)、ザイナーのサビネ・マルセリス(Sabine Marcelis)、ヤン・テ・オ(Yang Tae O)、クーン・カプート(Kueng Caputo)、ピーター・マベオスタジオ(Peter Mabeo Studio)が解釈したユニークなものばかり。黒が基調の空間に、個性豊かな“ピーカブー”が一層際立つ。

 さらに、同展のために現代アーティストの山口歴や、書道家の万美、アーティストの高木耕一郎の3人が解釈した新作の“ピーカブー”も初披露。山口の作品は、バッグをキャンバスに、青や赤、黒などのダイナミックな色彩を落とし込み、立体感ある仕上がり。万美は、“愛”の文字を大胆に記し、バッグ全体には“ピーカブー”を意味する日本語の“いない、いない、ばぁ”の文字をびっしり敷き詰めた遊び心も添えた。高木は、動物や擬人化した生き物をモチーフにした手刺しゅうのワッペンを貼り、“FF”ロゴをレーザー刻印したアクリルケースで囲んだ。

 展示のほかにも、「フェンディデジタルフォトブース」も設置し、ブランドの世界観に浸りながら写真撮影が楽しめる。世界各地の職人たちによる伝統技術や、デザイン・アート界へのオマージュ、メゾンのサヴォアフェールを堪能できる貴重なイベントだ。

■フェンディ ハンド・イン・ハンド エキシビション~卓越した職人技への称賛
会期:~5月8日
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目35-6
開催時間:11:00~20:00(最終入場19:00)
※開催時間は、イベントなどで予告なしに変更する可能性あり

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