ファッション

パイナップルの葉から作る繊維 東南アジアで量産体制へ

 スタートアップ企業のフードリボン(沖縄県大宜味村、宇田悦子社長)は24日、パイナップルの葉から繊維を抽出する機械の発表会を都内で行った。生産農家が廃棄していたパイナップルの葉やバナナの茎から作り出した繊維を衣料品などに利用する。

 これまでもパイナップルの葉から繊維を抽出する機械はあったが、手作業に頼る工程が多く、手間暇がかかるため、普及しなかった。フードリボンは21年から研究を開始し、水圧によって繊維を抽出する方法を開発。機械も小型化して、農家に設置できるようにした。パイナップルは東南アジアの零細農家で作られている場合が多く、彼らの所得向上に寄与する。繊維を抽出した後の残りかすは家畜の肥料として利用する。

 まず国内でパイナップル生産の盛んな沖縄県に20台を設置し、繊維の生産を始める。その後、夏にかけてインドネシアに200台を設置して月産20トン、フィリピンに600台を設置して月産60トンの生産を目指す。台湾、中国、タイ、マレーシアなどでも設置を進める。

 発表会には経産省、ファーストリテイリング、TSIホールディングス、豊島、ゴールドウイン、伊藤忠商事、旭化成などの関係者約110人が集まり、関心の深さをうかがわせた。昨年フードリボンと業務提携を結んだTSIホールディングスの下地毅社長は「実際に抽出された繊維に触れ、品質の良さに驚いた。事業のポテンシャルは大きい」と話す。

 フードリボンの宇田社長は「パイナップルはグローバルサウス(途上国)で生産されている。捨てていた葉に価値を見出し、農家の所得向上につなげるとともに、循環型の社会を実現したい」と語った。

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