「ユニクロ(UNIQLO)」は4月27日、英ロンドンのコヴェントガーデンに、英国で17店目となる新店舗をオープンする。同地区は演劇やエンターテインメントの街であると同時に、かつては青果や花き市場があったことで知られる。そうした背景を生かし、新店舗には生花店が編集するブースを導入。現地で人気の日本茶カフェも入っており、話題を呼びそうだ。現地在住ライターが、オープン前の店舗を取材した。
店舗は、コヴェントガーデンステーションから徒歩5分ほどの場所にある。ファストファッションブランドの「コス(COS)」や「アーケット(ARKET)」などが並ぶショッピングストリートだ。新店の総面積は1450平方メートルで、「ユニクロ」だけでなく「セオリー(THEORY)」も展開。「セオリー」との複合店は、2022年4月にオープンしたロンドン・リージェントストリートの旗艦店に続き、欧州で2店目という。ウィメンズ&メンズフロアの1階正面ドアを開けると、パステルカラーに彩られた、晴れやかな着こなしのマネキンと、たっぷりと生けられた淡い花々が出迎えてくれる。
奥へ進むと広がるのは、世界平和を願うチャリティープロジェクト「ピース・フォー・オール(PEACE FOR ALL)」に賛同した、アーティスト等とのコラボレーションTシャツのコーナー。マネキンのひとつは、オランダ人デザイナーで、絵本作家としても知られるディック・ブルーナ(Dick Bruna)の代表的キャラクター、ミッフィーが地球の上を歩く、愛らしいTシャツを着用していた。「ピース・フォー・オール」は今回が4度目のコレクションで、昨年6月にスタートし、23年2月末までに約3億2000万円を売り上げているとのこと。売り上げのうちの利益全額が、国連難民高等弁務官事務所、セーブ・ザ ・チルドレン、プラン・インターナショナルに寄付されている。
現在最も売り上げが好調だという、ショルダーバッグのコーナーも注目だ。同商品がブレイクしたきっかけは、イギリスのインフルエンサー、ケイトリン・フィリモア(Caitlin Phillimore)が、TikTok に投稿したことだったとか。壁面のパネルには、その時の彼女のバッグの中身を展示されている。
レジ付近は、サウスイーストのフラワーショップ「JamJar Flowers」とのコラボレーションで同店が編集するブース。コヴェントガーデンと花の親和性から生まれたアイデアといい、導入はここが初めて。コースターやジュート編みのバスケットなどをそろえている。
ロンドン土産に最適なTシャツカスタマイズも
2階はウィメンズのみを扱い、3階はメンズとグラフィックTシャツ「UT」のコーナー。タッチパネルを使ってカスタマイズしたTシャツを、その場で購入できる「UTme!」も展開する。ロンドンを象徴する地下鉄マークのモチーフや路線図などもカスタマイズのモチーフとして選ぶことが可能。どれもここでしか手に入らないため、お土産に買って帰るのもいいだろう。
英国の店舗では初の試みとして、3階にはカフェも導入した。ロンドンで人気の日本茶カフェ「かつて100」と組んでいる。抹茶やほうじ茶ラテなど5種類のドリンクに加え、抹茶ブラウニーやケーキ、桜餅などの和テイストのスイーツが楽しめる。テーブルや椅子も木を基調としており、場所の雰囲気も相まって、日本にワープしたような気分が楽しめる。ベンチのある外庭もカフェスペースになっているので、買い物の休憩がてら、風を浴び、クールダウンしながらリフレッシュするのもいい。また、リージェントストリート店に続き英国2店目となるリペア&リメークスタジオの「リ・ユニクロ スタジオ(RE.UNIQLO STUDIO)」も入っている。
天井はガラスの屋根に覆われ、店内にたっぷりと日差しが差し込むため、開放的な空間で買い物を楽しむことができる。「ゆっくりと買い物を楽しんでほしい」という想いから、店の至る所に椅子が設置され、USB端子の充電スペースも整えられている。