日本でも昨年ごろから“TikTok売れ”のワードが多く聞かれるようになり、多くの企業が商品やブランドのプロモーションにショート動画を使い始めている。“売れるSNS”といわれるTikTokのサービスで伸びているのがライブ配信機能だ。日本ではまだEC機能が実装されていないが、ライブ配信中に商品を紹介して外部へ誘導する形でライブコマースは行われており、海外ではEC機能を備えたTikTokショッピングが既にスタートするなど次の注目プラットフォームとなっている(この記事は「WWDJAPAN」2023年4月24日&5月1日合併号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋に加筆したものです)
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企業のTikTok運用支援やクリエイター育成事業を行うウルトラソーシャル(ULTRA SOCIAL)の高橋亮太CEOはTikTokライブの現状を、「ライブ配信プラットフォームとして国内でも有数のスピードで伸びており、視聴者も配信者も増加している」と話す。ほかのプラットフォームにないTikTokライブの特徴として、新規顧客へのリーチ率が高いことが挙げられる。「当社がクリエイターと協働で実験した結果、TikTokライブは視聴者の平均85〜90%がフォロワー外の新規ユーザーで、インスタグラムライブは新規ユーザー率が5〜10%のことが多かった。ブランド新客のポテンシャル層にリーチするにはTikTokライブの活用が非常に有効だ」と高橋CEO。TikTokのアルゴリズムはライブ配信にも適用されており、アカウントの属性や配信内容、話していることや映しているものを学習し、そのアカウントに親和性の高そうなユーザーに表示する。
高額商品はライブ配信と相性がいい?売れる理由とは?
TikTokユーザーは若者世代というイメージがあるが、高橋CEOによると大人世代も増えている。「視聴者には30〜40代の主婦や子育て中の女性と思われる人も多く、コスメやスキンケアではプレステージの商品を紹介しても反響が大きい」という。TikTokライブには投げ銭といわれるギフティング機能があるが、1人が数百万円を送るなど大きな金額が動く。可処分所得が高い人がTikTokライブの視聴者層にも存在し、TikTokライブの「おすすめ」フィード上にはギフティングを得る配信もライブコマースも同じように表示される。
「販売する商品の価格は売れ行きには関係ない。むしろユーザーは高額商品になればなるほど、さまざまな角度から情報を知って納得したいはず。動画や広告、平面的なサイトだけでは語りきれない商品の方がライブ配信との相性がいい」と高橋CEOは指摘する。また、頻度高くライブ配信をすることで、紹介した商品を購入した人は商品利用後にライブ配信に戻ってくるという。「商品の良し悪しをコメントで語ることもあり、視聴者同士でも交流している」と高橋CEO。配信者だけでなくリアルなレビューがコメントで流れ説得力を高める。
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