目の前に広がる瀬戸内海。遠路はるばるやってきたここは、世界有数のデニムの産地、岡山県は児島だ。地元発祥のローカルブランドからラグジュアリーブランドまで、多くの銘品がこの街で生まれている。今回はデニムの加工工場として名高い「ニッセンファクトリー」の協力のもと、デニム加工を体験。街で見かけるダメージデニムの裏にこんな“匠の技”があったなんて……。劇的な変化に、かのゴッドファーザー、ロバート・“デニーム”もビックリ!? (この記事は「WWDJAPAN」2023年2月20日号からの抜粋です)
デニム加工の基本のキ
加工に挑戦する前に「リーバイス(LEVI’S)」の“501”と“502”をゲット。いずれも街のジーンズショップで売られている1万5000円前後のもの。“501”は色落ちしているけど、加工がちょっと物足りないなという感じ。“502”はダメージなしのワンウオッシュだ。仕上がりをイメージしながらウキウキ!
「ヒゲ」は太もものつけ根、「ハチノス」は膝裏にできるシワ。ビンテージデニムのような自然なはきジワをどう再現するのかと思いきや、凹凸がある型をアタリの出る部分に当てて、上からヤスリでこするのだ。型はオリジナルで何パターンもあり、工場のセンスが光る重要な部分。
着用や洗濯により、インディゴで染めた縦糸の表面が削られ白く見えてくる。これが「タテ落ち」。ブラシが回転するこの機械で、太ももや膝などの色落ちしそうな場所にあてる。細かい色の濃淡はヤスリで微調整。
裾やポケットのフチなどを“あえて”破る。破りたい部分を狙って、金属製の回転ヤスリを当てると穴が開く。やり過ぎ厳禁!帰宅時間も迫り、約1時間半で仕上げへ
「“大戦デニム”!?」と聞かれたい
リアルビンテージ風デニム
ビンテージを想像しながら加工した“501”。ヒゲやハチノス、ヒップ、裾、ボタンフライの色落ちなど、リアルなアタリを再現した。加減に手こずり、やり過ぎた部分があるのも確かだが、愛情はどんなデニムより“濃紺”だ。
ワンウオッシュから色落ち加工で
流行のブルーデニムに激変
ワンウオッシュの濃紺だった“502”は、最後に薬品による色落ち加工をプラスしたことで一変モードな雰囲気に。ポケットをはじめとする各所に細かい破れ加工も施した。1万5000円のデニムが5万円に見えたりして。
※ニッセンファクトリーでは、ときどき、染色などのワークショップを開催しています。コロナ禍でしばらく開催されていませんが、落ち着けば再開されるかも。HPのチェックを忘れずに!