メンズコスメやジャンダーレスを謳うブランドの盛り上がりも手伝って、スキンケアは、男性の間でもかなり浸透してきた感があります。個人的には、それでも無頓着なコスメメーカーの男性社員や小売店の化粧品バイヤーは「どげんかせんといかん!」と思っていますが(いや、マジで)、若い世代を中心に男性がスキンケアについて語ることは珍しくなくなりました。
次はベースメイク、そしてカラーメイクでしょうか?正直、カラーメイクが広く普及するにはまだまだ時間がかかりそうですが、ベースメイクは少しずつ広がっています。ファンデーションだけではありません。メンズのベースメイクが少しずつ広がってきたのは、ファンデーションという男性にとって“未知なるアイテム”のみならず、BBクリーム、色付きの美容液や日焼け止めなども登場し、選びやすくなっているからです。
例えば、こちらの記事で紹介している「イロイク(IROIKU)」は、美容液感覚で使える全6色、各2200円のセラム。どうです?ファンデーション、特にコンパクトに収まったパウダーやクッションタイプのファンデーションはちょっとハードルが高いかもしれないけれど、コレなら、価格的にも、剤型的にも、機能的にも親近感が湧きやすいのではないでしょうか?
と、メンズのベースメイク普及には各社が“あの手この手”の戦略を練っていますが、1つ、比較的見落とされがち、もしくは忘れられがちなポイントがあります。それは、ベースメイクを「塗る」だけじゃなく、「落とす」についても、思いを馳せた方がいいんじゃない?というコトです。男性は、ベースメイクを塗ることに慣れていません。となると当然、それを落とすことにも慣れていないのです。だからこそ、クレンジングにも一工夫が必要なのでは?そんな風に思っています。
例えば、ACROが手がけるメンズをメーンとした総合メイクブランドの「ファイブイズム バイ スリー(FIVEISM × THREE)」は、コットンにクレンジング成分を含ませたメイクオフ商材を販売しています。最低限、このくらいの配慮は必要でしょう。もちろん美容感度の高い人は男性でも、液体上のクレンジングをコットンにつけたり、クレンジングオイルを顔に丁寧に塗布したりを行うかもしれません。でも、そんな新しい作業を面倒くさがらず、加えて気恥ずかしさも感じずに行うことができる男性は、正直あんまり多くないのでは?そんな風に考えます。だからこそ、汗拭きシート感覚で使えるクレンジング商材は、絶対に大事なのです。
あ、業界人の皆さん「コイツ、めんどくさいなぁ〜」って思いましたか(笑)?いやいや、そんなことはありません。この「メイクオフが面倒だから、結局、メイクをやめてしまった」男性は、少なからず存在しています。だからこそこの行為を、男性の日常生活の延長線上にしてあげることは、とっても重要なのです。振り返れば「ファイブイズム バイ スリー」は、ファンデーションをスティック状にして世に送り出しました。スティック状なら、ひげ剃りと同じような動作でベースメイクを楽しんでもらえるのでは?という配慮です。楽しんだ商材のオフにも、同じような配慮が必要なのです。
加えて誤解を恐れずに言えば、メイクオフは「プラスをゼロに戻す行為」です。メイクを塗布するという「ゼロをプラスにする行為」の真逆です。人間、誰が面倒な行為をして、「プラスをゼロに」戻したいでしょう(そう考えると、女性には改めて尊敬の念を抱きます)?だからこそ、本当に日常生活に溶け込ませることが重要なのです。
その意味で参考にしたいのは、メイク業界のお隣にいる美容機器メーカーのヤーマンです。このヤーマンは、美容機器という新しい製品を日常生活に溶け込ませるため、いろんな工夫をしています。例えば、防水性能を高めてお風呂場でも使えるようにした脱毛器は代表例です。従来品は防水性能が低かったので、お風呂場では使えませんでした。でも、脱毛、特にVIOの脱毛は、たとえ一人でも、リビングでやるのは気恥ずかしいですよね(笑)?それがお風呂場でできたら、VIO脱毛器に対するハードル、それを使い続けるというハードルは、グッと下がるのではないでしょうか?
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男性に向けて送り出した、この美容機器も同じです。ひげ剃りという定着した日常行為の中で使うことができれば、美容機器も習慣化するのでは?と考えました。男性に向けては、クレンジングにおいてもこんな工夫が必要なのではないか?そんなふうに考えます。