イタリアのバッグブランド「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」は26日、京都・祇園の町屋に体験型のショップ「カーサ ヴァレクストラ」をオープンした。大丸松坂屋百貨店が大丸創業300周年を記念して立ち上げた町家プロジェクト「大丸京都店 祇園町家」に出店。この町屋にはかつて「エルメス(HERMES)」ガポップアップストアをオープンしたが、「ヴァレクストラ」は恒常的な店舗を構える。
京都・祇園の花見通にある元2階建ての茶室を改装した「カーサ ヴァレクストラ」は、1階がショップ、2階が茶室やバースペース。いずれのフロアにも「カーサ ヴァレクストラ」の名前の通り、ジャンフランコ・フラッティーニ(Gianfranco Frattini)やガブリエラ・クレスピ(Gabriella Crespi)、フランコ・アルビニ(Franco Albini)、ルイジ・カッチャ・ドミニオーニ(Luigi Caccia Dominioni)ら、イタリアの著名な建築家やインテリアデザイナーによるアーカイブや復刻の家具を揃えた。暖簾をくぐると、右には地元の庭師が木や石を配置した小さな庭。左はガラス張りの店舗で、著名な家具の上に「ヴァレクストラ」のバッグや革小物、この店舗限定のシルクスカーフなどが並ぶ。
1960~70年代のビンテージなどを眺めながら2階に上がると、伝統的なミラノのバーを思わせるプライベートバーが現れる。5月以降は京都市内のホテルが監修するクラシックなイタリアンドリンクを提供し、オーダーメイドを受け付けるプライベートサロンの役割を担う。その奥には、調度品として「ヴァレクストラ」のトランクを積み上げた茶室という空間だ。
グザヴィエ・ルジュー(Xavier Rougeaux)最高経営責任者は、「『カーサ ヴァレクストラ』を通して促したいのは、日本とイタリアの対話。『ヴァレクストラ』の商品が並ぶ京都の空間は、巨匠たちによるミラノのデザインと、永続的な日本文化が融合する場所にしたかった。対話を促すのは、2階のバーや茶室などのインティメイト(親密な)空間。家具と『ヴァレクストラ』のバッグや革小物を通して、プロダクトに元来備わる本質的な美、エンジニアリング・ビューティを発信したい」という。