ビューティ

米化粧品小売大手「セフォラ」が化粧品容器回収プログラムを開始 アメリカとカナダの全600店舗で

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)傘下の化粧品小売店セフォラ(SEPHORA)はこのほど、空き容器回収プログラム「ビューティ・リパーパスド(Beauty (Re)Purposed)」を開始すると発表した。昨年7月にパッケージ容器の廃棄削減を目指すNPO団体パクトコレクティブ(PACT COLLECTIVE)と提携しパイロットプログラムをスタート。今回、アメリカとカナダの全600店に導入店舗を拡大し本格ローンチする。

 同プログラムは、消費者が自宅で使用済み容器の包装を外して洗い、中身が残っていないことを確認して店舗に返却する。容器は廃棄される代わりに、カーペットや再生ペレット、アスファルト、新たなパッケージ、エネルギー源などに生まれ変わる。米環境保護庁の推定では、米国のプラスチックのリサイクル率は9%にとどまる。米海洋大気庁によるとプラスチックは海洋環境に数百年残る可能性があり、ペットボトルは450年分解されずにとどまると言われている。

 セフォラのデスタ・レインズ(Desta Raines)=サステナビリティディレクターは、「多くの消費者が化粧品の容器の廃棄を複雑で手間だと感じている。廃棄・リサイクルが全ての人にとって身近なプロセスになるよう、価値観を共有し消費者と業界内外のサプライチェーン全体を啓蒙できるパートナーと組むことが重要だった」と語る。

 LVMH傘下の化粧品ブランド「ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS、以下ベネフィット)」も、パクトコレクティブと提携する。消費者は空き容器を月に5個までパクトコレクティブに郵送でき、配送料は「ベネフィット」が負担する。郵送する化粧品のブランドは問わない。

 これらの取り組みはLVMHが推進する環境戦略“ライフ360(LIFE 360)”プログラムの一環で各ブランドが行なっている。“ライフ360”では、生物多様性の保護と気候変動に対する取り組み、循環経済の推進、透明性の保証の4つを柱に、2023年、26年、30年までのロードマップを掲げる。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。