マーク・パンサー(Marc Panther)と聞いて、何を想像するだろう?
「音楽グループ、globe(グローブ)のラッパー」という答えが最も多いだろうか。ただ、アラフィフ記者にとっては、ファッション誌「メンズノンノ」(集英社)や「チェックメイト」(講談社)のモデルのイメージが強い。その後、音楽専門チャンネル「MTVジャパン」の初代VJになるのだが、1人暮らしを始めたばかりの僕のマンションではなぜかケーブルテレビが視聴でき、引き続きマークを日々ウオッチすることに。ちなみに、MTVジャパンへの出演がきっかけで小室哲哉から声が掛かり、その後globeのメンバーにという流れだ。
そんなマークさんが昨年9月、鎌倉に店をオープンしたと聞いた。ドンズバ世代としては“行くしかない!”だ。鎌倉駅を背に、左が観光客でにぎわう小町通りだが、右へ。徒歩1分でマークさんの店「ベネバン(BN20F)」に到着する。築50年以上という建物の2階、25㎡ほどの小さな店だ。
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なおBN20Fとは、マークさんの父が運転していたシトロエン(CITROEN)のナンバー。フランス生まれの“マークパパ”は30歳のとき、世界一周の旅に出る。中東、インドとまわり日本へ。そこでマークさんの母と出会い、旅を一時休止。結婚して、マークさんが生まれたというわけ。
ベネバンには、店名と同名のオリジナルブランドが並ぶ。デザインを手掛けるのは、「ヒピハパ(JIPIJAPA)」の加賀清一デザイナーだ。
ボーダーの長袖カットソー(1万9800円税込、以下同)はシトロエンが線を描くデザインがかわいく、古着のセーラー帽(5500円)には1つ1つ手作業でスタンプを押す。ほかにも底面に“BN20F”とプリントしたトートバッグ(1万6500円)や、リバーシブル仕様で、表のキルティングと中のシャンブレーをセパレートしてそれぞれ単体でも着られる4ウエイジャケット(5万8300円)などをラインアップする。
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マークさんも「気ままに」月に2日ほど店に立つという。「ボーダーカットソーは生地からオリジナルで作っていて、縫製も日本。だから2万円近くになってしまうけど、『ちょっと手が出しにくい……』という人もいると思う。僕としては地元の人にも『ベネバン』を着てほしくて、だから古着をワッペンやスタンプでリメークしたシャツを6000円ほどで販売し始めた。おかげさまで、なかなか人気」と話す。
今後については、「今年の夏には間に合わないが、フランス流のビーチカルチャーを発信したくて、地元企業とタッグを組んでラグやパラソルを作ってみたい。だって、ブルーシートじゃ雰囲気が出ないでしょ(笑)?あとは鎌倉や葉山のフードや飲み物を並べたり、僕がセレクトした音楽を提案したりするのも面白そう」と目を輝かせた。
■ベネバン(BN20F)
時間:12:00〜18:00
定休日:水・木曜日
住所:神奈川県鎌倉市小町1-4-25 2階