東レ・繊維部門の2023年3月期決算は、売上高が前期比19.5%増の9992億円、事業利益が同21.5%増の512億円だった。コロナ禍の収束に伴い、好調なスポーツ・アウトドア分野や、戦略パートナーである「ユニクロ」などへの縫製品供給が拡大したほか、原燃料の高騰分も転嫁できた。この数年構造改革を進めてきたASEAN子会社も大幅な増収増益になった。売上高は過去最高を更新した。
24年3月期の見通しは売上高が前期比1.8%減の9810億円、事業利益が同7.4%増の550億円。減収の主な理由は、上期に為替変動で採算の悪化した商品からの撤退するため。大矢光雄・副社長は「衣料品分野は一部で為替変動の影響を受けるものの、全般的には世界の衣料品市況は引き続き堅調に推移すると見ている」という。今年度の後半には、100億円を投じたスエード調人工皮革「ウルトラスエード」を増設分の稼働を予定する。