ゴールドウインの2023年3月期連結業績の売上高は前期比17.1%増の1150億円だった。基幹ブランド「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の勢いが継続し、創業来初めて1000億円の大台を超えた。2013年3月期の売上高は525億円だった。10年間で2倍に成長した。
事業区分別の売上高は、パフォーマンスカテゴリーが同14.2%増の392億円で、期初予想を大きく上回った。全国でスポーツイベントが復活し、高機能商材がよく売れた。ライフスタイルカテゴリーは同18.0%増の668億円で、キッズやウィメンズが動いた。ファッションカテゴリーは同23.6%増の89億円だった。
国内市場のインバウンドも急速に回復した。昨年10月の海外渡航制限の緩和以降、台湾や韓国、タイ、シンガポールからの来日客が目立ち、「ザ・ノース・フェイス」「ゴールドウイン ゼロ(GOLDWIN 0)」などが売れた。インバウンド売上高は全体の約1割を占め、コロナ前とほぼ同じ水準だという。
営業利益は同32.7%増の219億円で、営業利益率は19.0%の高水準になった。大幅な増収に加えて、物流拠点の基幹システムの更新の延期などにより、成長投資が抑えられた。経常利益は同38.4%増の280億円。韓国の持分法適用関連会社の好調が主因だ。
当期の業績を踏まえて、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標を上方修正する。修正後の売上高は1490億円(当初目標は1250億円)、営業利益は268億円(同210億円)、経常利益は334億円(同225億円)を見込む。