ファッション

「ケイスリー ヘイフォード」2017年春夏ロンドン・メンズ・コレクション

REPORT

70’sロックがコスプレにならないための秘策とは?

ケイスリー ヘイフォード(CASELY HAYFORD)」は相反するテイストのミックスが得意だ。これまでもクラシックな素材で作りつつ、ドローコードで調整するウエストとリブ編みの裾を取り付けることでイージーかつスポーティーなムードを兼ね備えたジョギングパンツ、裾にカットソーのヘムラインをあしらったフェイクレイヤードのジャケットなどを提案し、世に広めている。そんなブランドは今シーズン、1970年代のロックと、2000年代のグライム(イギリスで流行した、ハウスにラップやレゲエの要素を加えた音楽)の融合にトライ。70年代のロックはもはや大昔で、ともすればコスプレになりかねないが、そこに2000年代のストリート感覚をミックスすることでリアルを手に入れた。

70年代のロックマインドは、肩に芯地を入れたジャケットや、さまざまなペイズリー柄のアイテム、それに多用したブリーチやタイダイのデニムに現れている。こうしたアイテムのシルエットは、いずれも基本シャープでスキニー。エキゾチックムード漂うモチーフのニットの色使いもまた、レトロなムードを助長する。しかし、そんなアイテムを、2000年代のアイテムを絡めてレイヤード。ジャケットの上から別のジャケットを重ねたり、Gジャンの下からはカットソーの裾をのぞかせたり、最後にオーバーサイズのチェスターコートを羽織ったり。ドロップショルダーのスエットや、風になびくシャツブルゾンなど、オーバーサイズかつミニマルなアイテムをプラスすることで70‘sロックの古臭く過剰なムードを回避し、大勢がトライしやすいリアルに近づけていく。

今シーズンからは、完全予約制のウィメンズのビスポークサービスをスタート。ここでは、ショーの直後から、ランウエイルックのオーダーが可能で、今ドキの“すぐ買えるコレクション”にも取り組み始めた。過去と現在をバランスよく取り入れながら、親子デュオのブランドは進化する。

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