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吸水ショーツのさらなる普及目指し、「サラサーティ」ランジェリー用洗剤と「ベア」がコラボ

小林製薬は吸水ショーツ「ベア(BE-A)」などを展開するベア ジャパン(BE-A JAPAN)とタッグを組み、 “サラサーティ ランジェリー用洗剤”と超吸収型サニタリーショーツ“ベア シグネチャー ショーツ02”のセット(6050円)を5月25日に全国のドラッグストアや公式サイトなどで数量限定発売する。2社のコラボが実現した経緯と発売に向けての期待、そして今後の目標を白石千夏・小林製薬「サラサーティ」ブランドマネージャーとベアジャパンの髙橋くみCEOに聞いた。

WWD:今回のコラボセット誕生の経緯は?

白石千夏小林製薬サラサーティブランドマネージャー(以下、白石):「サラサーティ」は1988年に発売したおりものシートです。発売当時、生理については語られることは多かったものの、おりものに対しては、あまり口に出して話題にすることがなく、トイレで拭いたり、ショーツを替えたりして、密かに対処するしかありませんでした。そんな時代に「我慢しないでいいんだよ」との思いで発売したのが「サラサーティ」です。そして、1989年におりもの用経血用の洗剤として“サラサーティ ランジェリー用洗剤”を発売しました(発売当時の商品名は“ミスウォッシュ”)。昨今、「吸水ショーツの洗濯に使っている」というお客さまの声を聞くようになり、「相性がいいのかも」と思い、吸水ショーツメーカーと何か一緒にできないかと考えていました。吸水ショーツのパイオニアといえば「ベア」という認識だったので、昨年10月にベア ジャパンも弊社出展していた「フェムテック関連企業の合同展示会「フェムテック トーキョー(FEMTECH TOKYO)」で私がナンパした(笑)のがきっかけです。

髙橋くみベアジャパンCEO(以下、髙橋):小林製薬のような大手がスタートアップ企業の弊社に直接お声掛けいただき、とてもうれしかったです。弊社が行なっている生理セミナーでは「おりものは初潮を迎えるサイン」とお話ししますが、子どもだけでなく母親もそこまで知識が至っていない人が多いんです。生理の話はするけれどおりものの話までは至らず、「おりものが病気だと思って、親にも言えなかった」という話もよく聞きます。女性の体に起きる当たり前の事を丁寧に伝え、「自分だけじゃない」と思ってもらうことはとても大切です。小林製薬が「サラサーティ」を通して、おりものに対する知識や理解を広められたことは大きいですね。それに、吸水ショーツを販売するにあたり「洗濯が面倒なのでは」という声が一定数ありますから、このコラボセットには大いに期待しています。

吸水ショーツ未使用の理由の1位は「洗濯が面倒そう」

WWD:吸水ショーツの普及と洗濯は深い関係がある?

白石:弊社が行ったアンケートによると「吸水ショーツを使用してみたい」という人はおよそ7割。一方で、吸水ショーツ未使用の理由の1位は「洗濯が面倒そう(36%)」となっています。このコラボセットが、吸水ショーツ普及のネックになっている洗濯に対する面倒なイメージを払拭する役に立てればと思っています。

髙橋:「ベア」の吸水ショーツは、基本的には洗剤なしでも洗えますが、洗い方には個人差がありますし「きちんと洗えているか心配」という声も聞かれます。“サラサーティ ランジェリー用洗剤”を使って、経血を吸収したショーツを洗うと経血が下に溜まって、落ちたことを目で確認できて、すごくいいと思いました。「お風呂に入る時に浸けて、出る時にささっと洗えて便利」という声も聞かれます。

白石:この洗剤はタンパク質を分解する能力が高いので、普通の洗剤よりも経血やおりものの洗浄に向いています。20分浸けおきすればOKなので、お風呂に入る前に浸けて出る時に洗うというのはいいですね。

髙橋:弊社は吸水量にかけては自信を持って開発しています。“サラサーティ ランジェリー用洗剤”とのセットで、吸水ショーツがもっと普及するきっかけになればうれしいです。

白石:私は初めて「ベア」の吸水ショーツをはいて感動しました。それまで、生理の時に当たり前のように我慢していたことを「それは我慢することではなく、もっと快適に過ごしていい」と提案され、新たな選択肢を与えられた気持ちでした。それは、弊社が「サラーサーティ」というおりものシートを開発した時に通じるものがある、と思っています。発売当時のお客さまへのインタビューが残っているのですが、「私だけ病気だと思っていた」とか「ショーツを洗うのが女の嗜みだと教えられたが、そのストレスから解放された」などの声があり、おりものシートの発売が、おりものに対処するだけでなく、女性の人生を少しラクにできたのかな、と思いました。

WWD:吸水ショーツが普及し初めて数年経つが、それがランジェリー用洗剤の売れ行きに影響しているか。

白石:ナプキンの機能が良くなったりおりものシートが普及したりするにつれ、正直売れ行きは伸び悩んでいた時期がありました。昨今は、吸水ショーツに使う人が増え、その洗濯にも向いていることを私たちがアナウンスすることで、使用する人が増え、確実に売り上げは伸びています。

「ちょっと試してみたいな」と思っている人の後押しに

WWD:吸水ショーツの参入が増えているが、さらに浸透させるための課題は何だと思うか。

髙橋:まずは試していただく事が第一。みなさん一度試すと、こんなにラクなのかと感激してくださいます。その一方で課題もあります。吸水ショーツが広がるにつれ、品質のバラつきがあり、吸水ショーツでありながら明らかにその役割を果たさないものが販売されていることも。初めて試した吸水ショーツで失敗してしまい「吸水ショーツってこんなものか」と思われるのが、一番悲しいというか寂しいというか、悔しい。それが、初潮間もないお子さんだったら生理がトラウマになりかねません。品質が保たれたものが広まっていくことが重要だと思います。

白石:このコラボセットのターゲットは「まだ使っていないけれど、ちょっと試してみたいな」と思っている層だと思っています。フェムテックとかもそんなに知らないし、吸水ショーツも詳しくない人が初めて使うにあたって「“ベア シグネチャー ショーツ02”がいちばん適している」と私自身が使ってみて自信を持って言えますし、「サラサーティ」のような、ドラッグストアでいつも目にするメーカーと一緒に売られていると少し安心するかなと。そこはお役に立てるかな、と期待しています。

WWD:まだ発売前ではあるが、2社で次のステップの構想は?

白石:弊社は「サラサーティ」を通してずっとおりものを見つめてきました。先ほどもお話ししましたが、世の中では初潮や生理の教育はたくさんあるけれど、おりものについては、学ぶ機会が少ないので、おりものの性教育は私達の使命だと思っています。今後、ベアさんは生理と吸水ショーツの話、弊社はおりものの話をして、一緒に性教育などができればと思っています。

髙橋:ぜひに!ベア ジャパンの設立は3月30日。そして3月30日は「サラサーティ」の日ですよね(笑)。深いご縁を感じているので、よろしくお願いします

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