三井不動産は、服のリサイクルをテーマした大型店舗を三井アウトレットパーク木更津(千葉県)の隣接地に6月8日開く。ファッション業界の余剰在庫の課題解決に向けた取り組み。ブランド各社や各種団体と連携し、余剰在庫やB品、アップサイクル品、リサイクル素材で作った服などを、独自の空間演出と売り場編集で販売する。エンターテイメント性を追求したテーマパークのような店舗を目指し、堅苦しくなりがちなテーマを新しい切り口で消費者に伝える。
店舗名は「木更津コンセプトストア(KISARAZU CONCEPT STORE)」。三井アウトレットパーク木更津に隣接する敷地面積7300平方メートルに、北棟と南棟で構成する3000平方メートルの売り場を設ける。中庭、カフェ、工房、イベントスペースもあり、長く滞在できる。同店はテナントではなく、デベロッパーである三井不動産が自ら経営する。
ユニークなリサイクルショップ「パス ザ バトン」を展開してきたスマイルズが企画プロデュースし、百貨店のアウトレット事業などで実績のある双日インフィニティが店舗運営を担う。客は入場料300円を支払い、店内に入る。入場料および商品の売り上げの一部は、衣料品のリサイクルなどを行う団体や企業に寄付する。パートナー企業などと新しいリサイクルやリユースの取り組みも行う実験場とも位置付ける。
商品は三井不動産がアパレルブランドなどから直接買い付ける。ユナイテッドアローズをはじめとした有力企業がパートナーとして名を連ねる。中価格帯から高価格帯のブランドが中心となる。
既存のオフプライスストアやアウトレットモールとの違いは、異なるテーマを持たせた5つのゾーンで構成し、迷路でさまよう感覚で宝探しが楽しめる点にある。「イケア」のように入口から出口まで一方通行の動線を作る。ブランドごとのわかりやすい編集はあえて行わない。什器やディスプレイも店舗の中古品、味のあるアンティークのマテリアルも多用する。スマイルズが「パス ザ バトン」で培ってきたノウハウを発展させた。定期的にさまざまなイベントも企画する。
三井不動産の佐野川靖・商業施設本部長補佐は「ショッピングセンターやアウトレットモールを展開してきた当社がハブになり、新しい商流を作りたい」と話す。