乾燥する季節に、需要が高まる「フェイスクリーム」。今回は、「アットコスメ」に寄せられた「フェイスクリーム」に関する口コミを、原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナーが解説。ヒットの法則を読み解く。(集計期間:1月1~31日)
23年1月「フェイスクリーム」口コミTOP5
1位 「コスメデコルテ(DECORTE)」“リポソーム アドバンスト リペアクリーム”(50g、税込1万1000円)
原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナー(以下、原田):@cosmeベストコスメアワード2022 下半期クリーム新人賞を受賞した。2022年9月に発売され、発売直後より多くの口コミを集めた。「翌朝」の肌の違いを実感している声 が多く、特に「ハリ」「ふっくらする」といったワードが他のクリームと比較して多く出現している。美容液「コスメデコルテ(DECORTE)」“リポソーム アドバンスト リペアセラム” (30mL、8250円 50mL、1万2100円 75mL、1万6500円 75mL付けかえ用、1万5950円)との併用者も多く、ブランドロイヤリティの高さがうかがえる。
2位「カネボウ(KANEBO)」“カネボウ クリーム イン デイ”<SPF20・PA+++>(40g、税込8800円)
原田:SPF20・PA+++で、日中の紫外線を防ぐとともに乾燥からも守ってくれ、下地としても使える日中用クリーム。「乾燥による化粧崩れが軽減」、「マスクをとった後の肌が疲れていない」と評価されている。「パール感があり塗っただけでツヤがでる」と、一日中自宅で過ごすリモート勤務や、「メイクをしない時などにも肌の負担がなく重宝する」という声が散見された。朝からリラックスできるという香りも高評価のようだ。@cosmeベストコスメアワード2022 ベストフェイスクリーム 第3位。
3位 「キールズ(KIEHL’S SINCE 1851)」“キールズ クリーム UFC”(27g、税込2970円 49g、税込4950円 123g、税込8800円 150mL、税込8580円
原田:@cosmeベストコスメアワード2022 ベストフェイスクリーム 第1位を獲得した。ロングセラー商品であり、「もう何年も愛用しています」といったリピーターが多いのも特徴。一方で人によっては「若干の刺激を感じる」という意見もあり、小さなサイズから試し買いができる幅広いサイズ展開も魅力だ。「さらさらなのでメイク前にも安心して使用できる」、「やわらかく、肌にのせるとすぐに浸透する」など、テクスチャーや、肌なじみの良さを評価する声もある。
4位「キュレル(CUREL)」“潤浸保湿フェイスクリーム”<医薬部外品>(40g、税込2530円※編集部調べ)
原田:発売から15年以上経過するロングセラー商品であり、口コミ件数は約8,000に及ぶ。これは、「アットコスメ」のフェイスクリームカテゴリの中では「ニベアクリーム」(56g、310円※編集部調べ)に続く多さだ。うるおい成分として、潤浸保湿セラミド機能成分・ユーカリエキスを配合しており、保湿力、成分に対する期待の声も散見される。他のクリームの口コミと比較すると、「酷い」というワードも多く出現しており、状態の深刻度が伝わってきます。「お守りコスメとして一生常備する」といったような投稿もみられており、一部の人たちにとって、心理的な安定感を持って受け止められているようだ。@cosmeベストコスメアワード2016 殿堂入り。
5位「カネボウ(KANEBO)」“カネボウ フレッシュ デイ クリーム”< SPF15・PA+++>(40mL、税込6600円)
原田:日焼け止め効果のある下地としても使用できる日中用クリーム。“カネボウ クリーム インデイ”と比較検討する口コミも多く、肌の乾燥状態や外出の有無、時期などで使い分けている様子もみられた。“カネボウ クリーム インデイ”と比べると、価格がやや安いということもあってか、投稿者の年代分布では若年層のウエイトがやや高くなっている。カネボウ、日中用クリームそれぞれのエントリー商品という役割も担っていそうだ。@cosmeベストコスメアワード2022 ベストフェイスクリーム第2位にランクインしている。
―――「フェイスクリーム」で、象徴的に使われているワードは?
原田:「翌朝」「日中」「夜」など、時間帯を表すワードが増加傾向にある。1月の人気商品のラインアップを見てもそうだが、「睡眠美容」や「日中保湿」などクリームの使い分けをする人が増えている模様。また、「サンプル」といったワードも多い。「サンプルをもらい、すごく良かったので購入」と現品購入に繋がっている様子が見られた。また、口コミで「〇〇難民」という表現が増加している。サンプルは、昔ながらの手法ではあるが、確実に商品選択の助けとなっているのでは。
――― 1月、「フェイスクリーム」以外で好調なカテゴリーは。
原田:「リップケア・リップクリーム・リップグロスカテゴリー」。2022年12月に整形級に縦じわが消えると話題を集めた「ヴィセ(VISEE)」“エッセンス リッププランパー”(5.5mL、税込1430円)、そして1月には16年ぶりのリニューアルとなった「ディオール(DIOR)」“アディクト リップ マキシマイザー”(全24色うち限定1色、税込4620円)が立て続けに発売され盛り上がりをみせている。両製品、ナイトリップとして使用する口コミもある。口紅同様、マスクの影響を受け落ち込んでいたカテゴリーだけに一過性のものではなく、継続していくことが予想される。
―――「フェイスクリーム」以外のカテゴリーで、注目のキーワードや「トレンドの芽」は?
原田:「美容医療買い」。昨今、SNSの影響やコロナ禍をキッカケに美容医療、美容整形が身近になっているが、化粧品にも影響を与えている。「ダーマレーザー」など美容医療を想起させるようなネーミングのブランドや商品が注目されている他、肌への刺激のなさを「ダウンタイム中でも使える」といったように使用感の表現としても用いられるようになっている。美容医療の経験有無に関わらず、美容医療の浸透は、化粧品の購入や選択にますます影響を与えるのではないかと考えている。