NPO法人ディアミー(DEAR ME)の西側愛弓代表によるファッションブランド「ココ(CO×CO)」はこのほど、フィリピンの子どもたちと製作した“アップサイクルアート”において、国際的な広告賞「第102回ニューヨークADC賞」のゴールドとメリットの2冠を受賞した。
「アップサイクル アート」は、アートディレクターの橋本明花と、高松裕美・高梨大輔によるユニット、ビタミンと共に企画した。ディアミーが継続的に支援するフィリピンの子どもたちが「夢」をテーマに描いたアートを、購入者が選んだ「ココ」の商品に刺しゅうするという内容だ。アートは全6種類をそろえる。1つの刺しゅうにつき、ディアミーがフィリピン・マニラに開校したファッションスクール「ココラボ(CO×CO LAB)」の生徒1人にデッサンセット1式が届けられる仕組み。
同社によると、「このプロジェクトは、テレビやSNSを通じて拡散されて大きな反響があり、世界中の人々に参加して頂いた。それにより、フィリピンの貧困地区で生きる子どもたちの現状を、多くの人々に伝えることができた点を評価して頂いた」という。
「ココ」は「服のかたちをしたメディア」をコンセプトに、ファッションを通した社会課題の解決を目指す。廃棄衣料や海洋汚染などをテーマに、リサイクル素材や残布を用いたアイテムを製作してポップアップイベントや自社ECで販売する。2015年からフィリピンで「夢を描くこと」をテーマにしたファッションショーを計9回開催した。
今年2月に開校したファッションスクール「ココラボ」は、マニラの貧困地区で暮らす人々を対象にデザインや縫製などの教育機会を無償で提供する。初年度は16〜23歳の男女の計10人が在籍し、現地の専門学校の先生が授業を行う。また、技術教育だけでなく、SDGsや性教育の授業も実施する。
西側代表は「15年からフィリピンで活動してきたNPOでの活動と、『ココ』の取り組みが循環する企画が、こうして歴史あるNYの広告賞で評価いただけたこと非常に光栄だ。今度も『アップサイクルアート』が国を超え、フィリピンはじめ、世界中の子どもたちの夢を応援していく役割になれたら嬉しい」とコメントした。