2023年2月期でパルグループホールディングス(HD)は、過去最高業績を達成した。勢いに乗って今期(24年2月期)は純増42の969店舗体制へと店舗数を増やす。コロナ禍で抑制していた出店のアクセルを踏む。中核会社パルの取締役で営業本部長である小路順一氏は「今のところ人手は充足している。ただ、計画通り出店を拡大すれば、秋以降は足りなくなるだろう」と見る。(この記事は「WWDJAPAN」5月15日号からの抜粋です)
それでも同社の場合、「販売の優秀な人材の離職は抑えられている」と小路氏はいう。成果に基づく評価制度が企業文化として浸透しており、上を目指したい社員が奮起するからだ。
店舗の業績、販売員個人の販売成績やSNSによる貢献度を評価し、月給や賞与に反映する仕組みを長い時間をかけてブラッシュアップしてきた。その報酬の高さはアパレル業界随一と言われる。「たとえば20代でも1回の賞与で300万円以上もらっている店長は全国に数十人いる」。販売の現場に権限を移譲する。店長は強いプレッシャーの中で成果を出す必要があるものの、高い対価は魅力的だ。「当社の成果主義は加点主義。(経営幹部を除いて)失敗したからといって減点はしない。新しいことに挑戦する気運につながる」。
SNSの運用のうまさでも知られる同社は、販売員個人のSNSの活用にも積極的に取り組む。フォロワー数に応じた手当を給料とは別に支給する「インフルエンサー制度」を実施する。こういった施策が若い販売員のモチベーションに火を付け、店頭やECへの誘導といった成果を生む。
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