「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、SNSを中心にブームが再燃している「マツケンサンバ」の話からスタート。
ソーシャルエディター津田:今、SNSを中心に大きな話題なのが、6月26日まで渋谷パルコ6階に期間限定オープン中のマツケンサンバ初のコラボレーションカフェ「ビバ~マツケンサンバIIワールドカフェ~オレ!」です。テーマの「マツケンサンバII」は俳優の松平健が歌うCDセールス50万枚超えの大ヒット曲。2020年に公式ユーチューブチャンネル「マツケンTube」にミュージックビデオ(以下、MV)を投稿以降、SNSを中心にブームが再燃しています。同カフェでも、“マツケンサンバ!ーガー”や、“サンバ ピザ サンバ”など、「マツケンサンバII」の情熱的な世界観にインスパイアされたオリジナルメニューを用意していて、メニューの面白さやシュールなビジュアルが多くの世代にウケており、Twitter上でも「とにかくハッピーな空間だった」「ずっと笑い転げてた!」とバズを起こしています。
事前予約制のカフェのチケットは、残念なことに既に完売。併設のグッズショップのみ、誰でも入店可能です。グッズショップでは、米ロックバンドのキッス(KISS)をオマージュしたバンドTシャツや、必ず“推し(マツケン)”が出る上様のステッカー入りのウエハースなど、思わず笑みが溢れるユニークなアイテムが目白押し。特段マツケンサンバに思い入れがない僕も、取材の帰りにはTシャツを手にしていました(笑)。キッスとマツケンの白塗りメイク繋がりもあってか、バンドTシャツとしての再現度が高く、オマージュが上手です。なんと既にメルカリでも転売されていました。カフェからグッズまで何を発売しても大ヒットのマツケンサンバ。世代を超えて愛されるのには、何か理由があると思いますか?
記者村上:えー、今回はすごい角度からボールが飛んできましたね(笑)。マツケンサンバの魅力……、正直TVのワイドショーを見ている時以外に考えたことないけれど、やっぱり「単純に楽しい」なんでしょうか?そして今は、ド派手なMVの鑑賞でも、「踊ってみた」でも、グッズの購入でも、さまざまな楽しみ方がSNSで発信できる。それが強みなんじゃないでしょうか?
常々、「解釈の余白があるからこそ、それぞれが、それぞれらしく愛せるものは、とても強い」と思っています。代表例でよく挙げるのは、「イプサ(IPSA)」の化粧水“ザ・タイムR アクア”です。この商品は、肌にぐんぐん浸透するような「効果実感」で好きな人も多いでしょう。と同時に、デパコスの中では手に入れやすい「価格」で好きな人もいれば、シュッとしたボトルデザインで「部屋に馴染む」という理由で愛するファンもいるのではないでしょうか?そして今は、それぞれの愛し方でそれぞれにコミュニティができる時代。だからこの製品はコスメオタクから、ライフスタイルにこだわる男性まで、幅広い人たちに愛されているんだと思います。マツケンサンバも比較的同じような、さまざまな愛し方ができるんじゃないですかね?
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