南アルプスの麓、静岡・川根本町の「ブルーパー バックパックス(BLOOPER BACK PACKS)」はオーダーメイドのバックパック専門店だ。店主の植田徹さんが一つ一つハンドメイドするバックパックは、他にないデザインと確かな機能性で、過酷な山岳アドベンチャーレース出場者にも愛用者が多い。一般の愛好家の間にも評判が徐々に広まり、2〜3カ月の納品待ちが続いている。(この記事は「WWDJAPAN」5月8日号から転載・加筆しています)
バックパックは容量15~45Lをベースに、生地やファスナー、ベルト、ポケットなどをカスタマイズできる。価格は2万円から、フルカスタムで6万円程度だ。オンラインで注文も受けてはいるが、半数以上は店舗での受注という。植田さんは客の体形や背負い心地だけでなく、どんな山に、どんな目的で登るかまでヒアリングし、図面に反映する。一つ一つのパーツは全て植田さんが自作し組み立てる。製作できるバックパックは1日に2つが限度だ。ただ、「人を新しく雇ったりパーツを外注したりするつもりは全くない」という。「ビジネスを大きくしたいというビジョンがありません。こんな山奥に店を構え、一人粛々とザックを作り続ける。このこと自体が僕の“メッセージ”だからです」。
小さな工房で、ずっと作り続けたい
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