ビューティの世界では、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT.以下、YSL)」のアンバサダー戦略がユニークだ。同ブランドは、アンバサダーを「多くの消費者が『夢』と『憧れ』を描くラグジュアリーブランドにおいては必要な存在」と考えている。特にZ世代へのマーケティングにおいては、グローバルアンバサダーが理想の女性像を体現する存在なら、ローカルアンバサダーは「憧れを体現しながらも、より“共感しやすい”。各国ごとのトレンドや時代の気分にマッチする憧れとしての存在をビジュアライズして分かりやすく伝えるため、不可欠な存在」と捉えている。(この記事は「WWDJAPAN」2023年5月22日号からの抜粋です)
JO1とは、先立つ21年にはフレグランス“リブレ”でコラボレーションして、製品売り上げは3倍以上に急伸。“リブレ”は、アジア圏ではジェンダーフリーなフレグランスとして定着した。ファンデーション“オールアワーズリキッド”のプロモーションでは製品にインスピレーションを得た楽曲「ALL HOURS」の生配信ライブに挑戦。「YSL」とJO1の全SNSアカウントをジャックした生配信ライブも「大きなセールス」(同ブランド広報)の原動力になったという。ブランドはJO1のアンバサダー起用について、「DNAである『ヤング・エッジー・ラグジュアリー』を体現する存在であり、Z世代に向けて発信して新たな顧客層を開拓したかった。11人のメンバーは、Z世代特有のジェンダーの枠を超えた美意識を有し、カッティングエッジで親和性が高い。『ジャム(JAM)』と呼ばれる熱量の高い強固なファンを多数抱え、SNSは拡散力があって、エンゲージメントが高いのは大きな特徴。キャンペーンを行うたび、ファンの方は『YSL様』と感謝の意を投稿してくださる。この『YSL様』がトレンド入りするのは、とても珍しい現象」と話す。
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