「WWDJAPAN」5月29日号の特集は、「売り場から始めるサステナビリティ実践例26」です。サステナビリティ×ファッションの話題は素材開発から店頭へと移りつつあります。本特集ではその事例を多数紹介。大阪の阪急うめだ本店や無印良品京都山科、水戸のアドアーリンク「オフストア」など全国のショップを現地取材し、ひも解きます。売り場で「できること」は、不要衣料回収のみならず、資材の置き換えや廃棄物を活用した店舗設計などたくさんあります。ファッション販売に関わる皆さん、ぜひここからヒントを見つけてください。
販売人973人が答える店頭×サステナの現状
巻頭では、販売員973人へのアンケート調査をもとに、ファッション販売の店頭における顧客の意識などをデーターで紹介します。そこからは販売員と本社の認識のズレや各社の研修や情報共有の有無の差など、経営側には少々耳が痛い現実も浮かび上がります。でも大丈夫。サステナ先進ブランドである「H&M」から本社と売り場スタッフの情報共有のコツなどを伝授してもらいます。
表紙を飾ったのは、デザイナーのステラ・マッカートニーです。約4年ぶりに来日したステラには、単独インタビューも実施。阪急うめだ本店にブランド初となるカフェ併設のコンセプトストアをオープンした理由や今注目している技術、目指す世界やファッション産業の矛盾についてなど、たっぷり話を聞きました。
交代相次ぐCEOや経営幹部の背景を読み解く
海外からは、「アディダス」「セルジオ ロッシ」「オールバーズ」などに関して、押さえておきたい今週のニュース5を紹介。また、「CEOや経営幹部の人選に見る時代の変化」と題して、最近続いた経営幹部の就任・退任ニュースの背景を読み解きます。人気連載「ミステリーショッパーが行く!」は、4月末にオープンした大型ショッピングモール「ジ アウトレット湘南平塚」へ潜入。美容ジャーナリスト齋藤薫による連載「ビューティ業界へのオピニオン」の今回のテーマは「AI美容」です。また、ビューティ賢者が持論を展開する「ビューティ インサイト」では槙野光昭オニカム代表が、マーケティングやブランディングをテーマに語ります。最終面では、愛媛・道後温泉のアートなどを楽しくパトロールします。
付録の「WWDBEAUTY」は、Z世代が興味関心を抱く化粧品業界のサスナビリティを特集します。業界全体でZ世代=社会的課題への関心が高いという認識が広がっていますが、まずはその実態を探るべく、約100人のZ世代に独自で意識調査を実施。さらにZ世代のSDGsに関する意識を深く知る「シブヤ109 ラボ」の長田麻衣所長にインタビューを行ったところ、高い意識は醸成されているものの、意識の高さと行動には隔たりがあることが浮き彫りとなりました。そこで、Z世代の“知りたい”を解決するべく、大学生に取材にも同行してもらい、各社が取り組む「カーボンニュートラル」「ダイバーシティ&インクルージョン」「パッケージ」「価格の壁」「容器回収」の5つの事例を紹介します。
Z世代が企業に求めているものとは?
巻頭は、動物愛護や環境問題の取り組みに積極的でZ世代からも支持を集める俳優の二階堂ふみさんが登場。「少しの意識や行動変容で世界は変わると信じている」と、自身の体験を通じて、化粧品業界のサステナブルな取り組みについて話を聞きました。5つの事例からは、「カーボンニュートラル」を目標から3年早く達成した日本ロレアル、成長戦略の一つに「エクイティ、ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げるユニリーバ、「パッケージ」は不要と唱えるラッシュ、「価格の壁」が高いとされているオーガニック・ナチュラルコスメを手頃な価格で実現するたかくら新産業、1社では完結することが難しい「容器回収」の課題解決の取り組みに乗り出す花王ほか、サステナブルをキーワードに積極果敢に取り組むビューティ企業の最新動向を紹介します。
COVER CREDIT:ICHIRO TAKASE(TAKASE OFFICE)
WWDJAPAN BEAUTY
PHOTO : YUKI KUMAGAI
DESIGN : JIRO FUKUDA