シルクとカシミヤのアンダーウエア「マユハダインナー(MAYUHADA INNER)」が登場した。紡績ニットメーカーの佐藤繊維と早坂香須子メイクアップアーティストとのコラボレーションによるもので、糸から編み、染色まで、メード・イン・ジャパンにこだわっている。ファッション好きの早坂のディレクションによるデザインと色、佐藤繊維ならではの高い技術から生み出される極上の肌触りと着用感が融合したインナーがそろう。
このコラボレーションは、佐藤繊維の佐藤正樹社長と早坂が山形県寒河江市生まれで、同じ中学校出身をきっかけに始まった。同郷でファッションを愛する者同士、もともとニットの町と呼ばれた「地元を応援したい」という気持ちと「何か面白いことをやろう」という思いから、2020年にスタート。当時は佐藤繊維のファクトリーブランド「コーン(KONE)」の中の早坂香須子コラボコレクションとして、セーターやパンツ、ストールなどを販売していた。21年2月にアンダーウエアがメーンのコレクションになり、繭を素肌にまとうような着心地であることから「マユハダインナー」という名が付けられた。その後、新色が出るたびに購入したりまとめ買いしたりするファンがいたため、4月に単独のブランドとして独立させた。佐藤社長は「早坂さんにはわれわれにない感性や発想がある。彼女と組むことで殻を破るきっかけになった」と述べた。
紡績から販売まで一貫することで適正価格を実現
「マユハダインナー」は、シルクとカシミヤそれぞれを主素材とする2つのラインで構成される。シルクラインは、ブラジャー、ショーツ、腹巻き付きレギンス、プルオーバー、カシミヤラインはプルオーバー、ジョッパーズ、ショートパンツ、レッグウォーマーというラインアップ。全てホールガーメンドで、柔らかく包み込まれるような肌触りが魅力だ。シンプルなだが「ニットでもカジュアルにならず、センシュアルなラインを追求した」と早坂。自社ECが主な販路で紡績から生産、販売まで一貫して佐藤繊維が手掛けることで、高いクオリティーの日本製ニットを適正価格で提供することを実現した。
背中は肩甲骨が美しく見える直線のライン
4月に行われた受注会では、早坂と佐藤社長に白幡啓スタイリストを交え、トークイベントを開催した。同イベントで佐藤社長は、絹紡糸のほとんどが海外で生産されている中で、「マユハダインナー」は糸から日本で生産している点や締め付け感はないのにフィット感がある着心地をホールガーメンドで実現する難しさなどが語られた。同ブランドのブラにシアー素材の服を着用した白幡は、「デコルテやアームのカーブが美しく、直線と曲線の使い方がとても上手い」とコメント。早坂は、肩甲骨が美しく見える直線のラインにこだわったことやマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)の水着姿に着想を得たショーツは、深ばきでもセクシーに見えるカッティングを追求したことなどを語った。