ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第115回

アンバサダーでブランド二刀流は通用するか

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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN Digital」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。 今週は、ブランドが起用するアンバサダーの話。(この記事はWWDジャパン2023年5月22日号からの抜粋です)

【賢者が選んだ注目ニュース】
「コスメデコルテ」 大谷翔平キャンペーンが大反響 新規購入者数70%増、 男性客の増加も
デジタル大国・中国が生んだ 「モノ売るアイドル」、 規制から2年後の現在地

大谷翔平選手(米MLB「ロサンゼルス・エンゼルス」所属)とグローバル広告契約を結んだコーセーが展開するプレステージブランドの「コスメデコルテ」が躍進している。WBCの準々決勝ラウンド(対イタリア戦)が行われた日(3月16日)に、大谷選手を起用した「コスメデコルテ」の美容液“リポソーム アドバンスト リペアセラム”のTVCMの放映を開始したところ、開始日の百貨店での新規購入数は通常時の3.6倍、公式ECの販売個数は通常時の約20倍に。さらに決勝戦(3月20日)放映後の公式ECの売り上げは約2倍に急上昇したという。

これら大谷選手によるプロモーション効果が大きく寄与し、2023年1〜3月期のコーセーの化粧品事業の売上高は前年同期比19.6%増の558億円、営業利益は同256.9%増の64億円だった。そのうち、「コスメデコルテ」の売上高は国内が同45.5%増の87億円、北米亜は韓国免税店向け出荷の減速を受け同17.0%減の105億円だが、計192億円と全体の売り上げの約3割を占めている。「コスメデコルテ」の同キャンペーンの1カ月前に「雪肌精」の日焼け止めも大谷選手をビジュアルに起用したが、「雪肌精」への波及効果はまだあまり出ていない。「コスメデコルテ」は、「詳細な数値データはないが、新規顧客数が2~3割は増えている印象」と大谷効果は大きいようだが、今後の継続性はどうだろうか。同社は今後も「『コスメデコルテ』の好調な売り上げを維持するために、2Q(4〜6月期)以降もリピート購入施策を推進する」としている。

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