「ゲラン(GUERLAIN)」は6月6日、フランスの画家、アンリ・マティス(Henri Matisse)から着想したフレグランスシリーズ“メゾン マティス エディション”を発売する。世界14個限定、日本には1個のみ入荷する“ザ ビーボトル メゾン マティス エディション”(1L、242万円、一部店舗限定発売)のほか、ブランドの最高峰シリーズ“ラール エ ラ マティエール”から最新作“ジャスミン ボヌール メゾン マティス エディション”(200mL、8万6900円)を世界1000個限定で販売する。
“ザ ビーボトル メゾン マティス エディション”は、1939年にマティスが発表した「La Musique(音楽)」がフレグランスだったら、という問いから生まれた。マティスは作品を“ビブラート”や“コード”、“オーケストラ”など音楽用語を用いて表現しており、また調香師も香りの表現に“ノート(音)”や“コード(和音)”といった言葉を使う。「ゲラン」は同作に描かれた色彩やリズミカルな構成を、特別な香り“クルール ボヌール”で表現した。トップノートは、爽やかに香り立つベルガモットで幕開けし、ミドルノートはアプリコットとローズ、ラストノートは紫のアイリスと白いホワイトレザーアコードで印象的に描く。
ボトルにはベルサイユ宮殿の修復を手がけた画家が手作業で着色を施し、「La Musique」のパレットに近い6色で、ギターの曲線や葉、赤と青のフラットな色彩を描いた。美術品の輸送に使う木箱をイメージした木製ケースに収める。
また“芸術と素材”を意味するブランドの最高峰コレクション“ラール エ ラ マティエール”から、“ジャスミン ボヌール メゾン マティス エディション”を発売する。3つの産地で収穫したジャスミンの香りで、マティスの切り絵作品「Les Mille et une Nuits(千夜一夜)」から着想したデザインのボックスに収める。晩年の制作にもかかわらず生き生きとした喜びにあふれる明るい色彩の絵画を、フューシャピンクやブルーの鮮やかなカラーパレットで、ハート、ジャスミンの花と葉を描き表現した。ほかにもエンボス加工したふたに取り付けるパーツ“エクセプショナル プレート”(1万7600円、世界限定200個)や、太陽の光を浴びたイチジクの香りが漂うキャンドル“フィグ アズール フレグランスキャンドル メゾンマティス エディション”(200g、3万470円、世界限定500個)もラインアップする。
「ゲラン」は毎年、アーティストや職人とのコラボレーションしたフレグランスを発表し、現代アートのパトロンとしての取り組みを行っている。今回のコラボレーションはアンリ・マティスのひ孫、ジャン・マチュー・マティス(Jean-Matthieu Matisse)が創設した「メゾン マティス」とのコラボレーションによるもの。「今までにない新しい“香り”という領域にアンリ・マティスの作品を広げることができた。曽祖父の作品は多感覚的であり、植物や花のモチーフが繰り返し登場する。『ゲラン』のフレグランスの芸術性との間には多くの共通点がある」と語った。